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井手町文化財展示室(井手町井手)

仏教伝える瓦ずらり

 奈良時代の皇族の有力者である橘諸兄(たちばなのもろえ)が居を構えるなど、古代の政治の拠点だった井手町の歴史に触れ、当時の雰囲気を感じることができる知る人ぞ知る場所だ。

 町自然休養村管理センターの展示スペースを2008年に改装してオープンした。

 	井手町の歴史に触れることができる町文化財展示室(同町井手・町自然休養村管理センター内)
井手町の歴史に触れることができる町文化財展示室(同町井手・町自然休養村管理センター内)

 橘諸兄が建立したとされる井手寺跡や大安寺(奈良市)の瓦を製造したとされる石橋瓦窯跡の発掘調査の出土品など150点以上を展示している。

 平城宮の建物や寺院などの屋根の軒先を彩っていた軒丸(のきまる)瓦と軒平(のきひら)瓦は、ハスの花をモチーフにしたものが多く、花弁の数やふちの厚さ、模様によって細かく分類されている。瓦窯跡から出土した瓦は平城宮の様式が中心で、当時の仏教信仰を現在に伝え、井手寺と橘諸兄の関わりを示す根拠にもなっている。

 平山古墳から出土した豪族の棺「陶棺(とうかん)」なども並んでいる。

 山城地域の旧跡名所をつなぐ散策路「山背古道」に近いこともあり、歴史愛好家などが立ち寄ることも多いという。団体客を対象に、地域のボランティアガイドが展示解説にも取り組んでいる。

 町教育委員会社会教育課の文化財技師の茨木敏仁さん(57)は「瓦が好きで見に来る方や、橘氏にゆかりのある方が九州や四国から訪れることもあります」という。

平城宮で使われていた様式の瓦も並んでいる
平城宮で使われていた様式の瓦も並んでいる

井手町文化財展示室

 井手町井手二本松2の1 自然休養村管理センター内。入場無料。開室は午前10時~午後5時。土日祝日は団体のみ。問い合わせは町教育委員会0774(82)5700。

【2017年11月29日掲載】