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コカ・コーラウエストプロダクツ京都工場(京都府久御山町田井)

地下水をくみ上げ調合 安全安心へ厳重チェック
京都工場で生産される炭酸飲料やスポーツ飲料、コーヒーなど(=写真上=)
缶詰め作業後にエックス線検査をするためライン上を流れる炭酸飲料(京都府久御山町、コカ・コーラウエストプロダクツ京都工場)
 飲料メーカーは、カロリーをゼロにしたり、こだわりの原料を使用するなど次々に工夫を凝らした新商品を投入し、しのぎを削る。大手の日本コカ・コーラ(東京)の製品を、近畿から九州までの西日本向けに生産するのが、コカ・コーラウエストプロダクツ(佐賀県)。近畿一円を対象にした近畿コカ・コーラプロダクツと、九州や中国地方を地域とするコカ・コーラウエストジャパンプロダクツが一月に合併して発足した。

 京都工場は、佐賀や広島、滋賀など6カ所の工場の一つとなり、コーラやファンタなど炭酸飲料のほか、スポーツ飲料やコーヒーなど約60品目を製造する。缶やペットボトル、ファストフード店向けのタンク入りなどを合わせた年間生産量は約1億5500万リットルに達する。黒田正雄工場長(59)は「京都工場は6工場での生産量のうち26%を占め、主力的な位置づけ」と説明する。

 コーラの製造方法は、くみ上げた地下水を、米国のコカ・コーラ本社が世界共通で定める硬度や水素イオン指数(pH)に調整した後、グラニュー糖などを調合。日本コカ・コーラから供給される原液と混ぜてシロップを作り、炭酸ガスなどを加えて、缶やペットボトルに詰める。また、コーヒーや紅茶の場合は、豆や茶葉をドリップし、牛乳や砂糖を加えて缶に入れた後、123度の高温で20分間高圧蒸気で殺菌処理を行う。

 工場内の製造棟には、缶やペットボトル、タンク用のラインが計7つ設置され、年末年始を除き無休で、24時間作業が行われている。製造現場では、水と原料の調合を終えた飲料を缶に詰める円形のフィラーと呼ばれる装置(直径約3・5メートル)が高速で回転しながら、1秒間に25本の早さで中身を詰める。

 入社以来、製造現場一筋という中立一夫次長(58)は「ガラス瓶の時代は、瓶の破損を点検する必要があり、1つのラインに30人近くの従業員が配置されていた。1980年代以降にペットボトルが登場し、点検作業がエックス線装置など自動で行われるようになり、今は1ラインを4人で担当する」という。

 実際、ライン付近には従業員の姿がほとんど見られない。しかし、「人は減っても製品の点検には力を入れている」と黒田工場長。すべての製品をエックス線装置などでチェックした後も、抜き取りによって人の目でも不良品がないか再度調べる。

 食品製造では製品への虫の混入が致命的。虫が野外から入り込まないよう、工場内の気圧を高くしたり、電灯には虫が見えない波長の蛍光灯を使うなど二重三重の備えをする。黒田工場長は「食の安全に対して消費者の目が厳しくなる中、安心安全な製品作りを続けていきたい」と強調する。

=おわり
[2008年3月23日掲載]
コカ・コーラウエストプロダクツ京都工場
 1971年2月開設。敷地面積約7万7千平方メートル。延べ床面積約4万7千平方メートル。従業員220人。飲料製造のほか、焙煎(ばいせん)棟では、グループ会社向けのコーヒー豆を年間600トン処理する。工場見学ツアーも予約制で受け付けており、昨年は年間約4万人が訪れた。近鉄大久保駅の西約3キロ。