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食の安全が原点 再構築に力尽くす

コープしが理事長・西山実さん
「中毒ギョーザ問題は生協の原点にある食の安全のことを考え直し、再構築する機会にしたい」と語る西山さん
 コープしが(野洲市)が、4生協の合併発足から15年目を迎えた。2007年度決算は過去最高の業績だったが、4月の生協法改正で府県を越えた合併が可能となり、滋賀県南部では今秋から大型店が相次いでオープンし、取り巻く環境は変わりつつある。理事長の西山実さん(48)は「組合員が求める食の安心安全の再構築に力を尽くしたい」と、原点回帰による成長戦略を思い描く。

 −07年度は増収増益でした。

 「上り調子の順調な決算でした。売上高に当たる供給高は252億9300万円で、前年度比5%増。無店舗事業のうち、供給高で約3割を占める個人配達の好調さが大きく、伸び率は20%を超えた。人口が増える滋賀では、個配で上積みを図る余地があり、08年2月からは3歳未満の子どもを持つ家族や高齢者向けに手数料割引を始めている。売上高に占める経常利益を表す経常剰余率は生協の目標基準の2%を超えて4%に迫り、健全な数値です」

 −一方、店舗事業は赤字が続いています。

 「昨年度は2店閉店したのに加えて、商品や仕入れを見直してコスト削減を進めている。店舗事業は供給高の5%程度で、主力店のコープぜぜを含めて6店と少ないが、イオンモール草津など大型店出店で、競合店が増えてさらに厳しくなる。具体策では京都や奈良の生協と連携し、商品、運営、物流の共同化で経費を減らしたい。売上高は減るが、利益を増やし、黒字化による店舗の維持を図りたい」

 −08年度のテーマは原点回帰です。

 「中国の冷凍ギョーザの中毒問題を通じて、生協は組合員を中心とした消費者団体であり、安全で安心な食を供給することが原点にあると再確認したためです。日本生活協同組合連合会による検査体制の強化に加え、7月からは産直商品や県内産にスポットを当て、店頭でPR販売に力を注いでいる。食品に占める県内産食品の供給割合は6%強にとどまるので、少なくとも10%にまで高めたい」

 −59年ぶりに生協法が改正されました。

 「法改正では近畿でも府県を越えた合併の動きもあるが、コープしがでは想定していない。まず、店舗事業での連携の在り方を模索したい。一方、組合員以外に商品サービスを供給できるように規制が緩和された。保育園や高齢者施設などにアンケートを行い、ニーズを把握したい」

■にしやま・みのる 追手門学院大卒。1982年、旧大津生協に入り、93年の生協合併でコープしがへ移り、政策広報室長や食の安全推進室長などを歴任。2005年6月常務理事、07年6月から現職。甲賀市水口町出身、48歳。

[2008年7月20日掲載]