
こんこんと湧き出る地下水をくむ地元の人たち。 水の恵みに感謝する瞬間だ
(京都市伏見区・伏見板橋小)
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遠い昔から、京都に暮らす人びとは、豊かな地下水の恵みを受けてきた。山に囲まれた地形と地質のおかげで、地下には琵琶湖ほどの豊富で、良質な水が蓄えられている。しかし、その「おいしくて、美しい」はずの地下水が最近、さまざまな化学物質にさらされ、汚染の危機に直面している。京都の暮らしを支え、文化をはぐくんだ豊かな地下水を、将来も守り続けるために、私たちに求められるのは何だろうか。
◇いつまでも安全に 模索
京都市伏見区の伏見板橋小敷地内にある「白菊の井戸」には、ペットボトルやタンクを持った住民たちの姿が絶えない。
1989年度卒業生が寄贈した井戸だ。地元でつくる保存会(立原誠一会長)が管理し、メンテナンスは地元の業者が引き受けている。立原会長は「大切な水を、みんなで守り続けようという意識があるからこそ、井戸を維持できる」と話す。井戸端は地域の住民たちの憩いの場でもある。
京都市内では、多くの井戸跡が発掘される。平安時代や室町時代などの遺跡から、使わなくなった井戸を埋める際に、大きな石で穴をふさいだり、ふさいだ穴に竹筒を入れて井戸の神様が出入りできる抜け穴を作ったりしたことが分かっている。古くから井戸と人びとの心が深く結びついていたことがうかがえる。
◇京都盆地 総量、琵琶湖の8割にも

南側から見た京都盆地断面図 (楠見教授提供のCG。縦横の比率は7対1)
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京都の地下には、どのくらいの水があるのだろうか。関西大工学部(大阪府吹田市)の楠見晴重教授の研究室で、京都盆地の地下のシミュレーションを、コンピューターグラフィックス(CG)で見せてもらった。
画像がパソコンの中で回転し、京都盆地の下が巨大な水がめのようになっているのが、立体的に分かる。最も深い巨椋池周辺の岩盤までの深さは800メートルに及ぶ。
楠見教授によると、京都盆地の地下水量は211億立方メートル。琵琶湖の8割ほどもある。水の出口は天王山(大山崎町)と男山(八幡市)の間の1カ所だけで、この2つの山の岩盤の深さは約30メートル−50メートル。豊富な地下水を盆地にとどめる天然の地下ダムの役割を担っている。
深い砂れき層と、その下の岩盤。琵琶湖からの水が宇治川を通じて流れ込み、京都地下の伏流水にもなる。「京都には水をため込む条件が整っている」と楠見教授は説明する。
楠見教授によれば、地下水が枯れる心配はないという。ただ、「地下の様子は見えないので、専用井戸を掘って、地下水の量と質の変化を定期観測し続ける必要はある」と話す。
(2003.9.24)
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