京都市伏見区の伏見南浜小学校で5月20日、土曜学習の一環として、ペットボトルを使った「水ロケット作り」が開催された。伏見南浜小学校、伏見南浜地域おやじの会、伏見南浜小学校PTAが連携し、遊びを通して地域で子どもを育てる活動に親子約120人が参加。親子で一生懸命作った水ロケットが打ち上がるたびに大きな歓声が上がり、会場は笑顔に包まれた。
「子どもは、家庭の宝であり明日の日本を担う社会の宝です」。子どもを育てることは何ものにも代え難い喜びと楽しみであり、その中で親も成長していくと話す『京都「おやじの会」連絡会』会長の小倉誠一さん。
昨今、子どもたちを温かく見守りながらも、時には厳しく注意をする大人の姿を見かけることが少なくなったと小倉さんは感じている。「子どもをどう育てていいか分からない。子育てに自信がない。子育てへの不安と悩みの声を耳にすることが多くなっています」。人間関係の希薄化が進む中、父親が子育てに積極的に参加することが強く求められている。その期待は日々高まっており、活動の場は地域へと広がっている。
『京都「おやじの会」連絡会』は、“わが子の父親から地域のおやじへ”を合言葉に学校、家庭、地域の応援団として、京都市内の小学校、幼稚園などを単位に活動する親による任意団体として2003年10月3日(父さんの日)に発足。現在では152校が参加している。今年は“見せましょう!おやじの背中”をスローガンに掲げ、子どもたちのために何ができるのか、近所の“おやじ”が集まって知恵を絞って活動している。「子どもは大人が思う以上に冷静に大人を見ている。子どもたちから信頼され、模範となる行動を取ることが大切」と小倉さんは訴える。
活動は、盆踊りをしたり、昔遊びをしたり、地元の祭りに参加するなど自由で多岐にわたっている。月に1回、仕事が終わった後の夜に連絡会を開いて情報交換の場を設け、京都市内全体の“おやじの会”を対象にした研修会の企画なども行っている。
「活動を通して、親の意外な一面を子どもが発見したり、一緒に遊ぶことで自分の子どもだけでなく、他の子どもたちとも触れ合えます。親同士が仲良くなれば自然と子どもたちも仲良くなります。顔見知りが増えれば、他人の子どもであってもちょっとした異変に気付き“何か悩んでいるの?”など声も掛けやすくなると思うのです」。子どもにかける目は多ければ多いほどいいと話す小倉さんは、「今後はより多くの行政区でネットワークづくりを進めたい。人と人が支え合う地域のつながりや、家族の絆を深めるためにも“おやじ”にはどんどん参加してほしい」と呼び掛ける。
“子どもたちを見守り、こころ豊かな社会へ”。親と子、家族と家族、そして家族と地域。その信頼に満ちた関係性を作るため、いま“おやじ”の力が必要とされている。