京都新聞
:紙面特集

サンタフェ リー・ダークス コレクション
浮世絵最強列伝
相国寺承天閣美術館(特集)

江戸のスター絵師 見参

葛飾北斎「風流なくてなゝくせ 遠眼鏡」
1801~04年(享和年間)=後期

 歌麿、北斎、写楽、広重-スター浮世絵師たちの優品が勢ぞろい。アメリカ人コレクターが収集した作品を公開する「サンタフェ リー・ダークス コレクション 浮世絵最強列伝」展が3日、京都市上京区の相国寺承天閣美術館で開幕する。

 1935年、アメリカ中西部・インディアナポリスに生まれたリー・ダークスさんは58~61年、米空軍士官として来日、日本の版画、浮世絵に関心を抱いた。帰国後、ダウ・ジョーンズなど大手新聞社で記者、経営者として50年間にわたって活躍後、本格的に収集し始めたのは2000年ごろからという。

東洲斎写楽「三代目市川八百蔵の田辺文蔵」
1794(寛政6)年=前期

 今回、初公開されるのは、江戸初期から幕末までの約200年間、時代を彩った人気絵師の列伝のような160点余りだ。その多くが保存状態がよく、摺(す)り上がったばかりのような発色の美しさを誇る。

 展覧会では、1色の墨摺絵という浮世絵の誕生から繁栄、成熟へ時系列に構成する。浮世絵の祖・菱川師宣、鳥居清信をはじめ、18世紀後半に多色摺りの錦絵の登場、美人画の鈴木春信、歌舞伎役者を描いた勝川春章らを取り上げる。今でいえば、ファッション誌やブロマイドとして人気を集めた名品だ。

 黄金期は、役者や美人の大首絵で知られる喜多川歌麿、10カ月だけ世に現れた謎の絵師東洲斎写楽らの逸品を並べる。独自の感覚で、鮮やかに対象を切り取った葛飾北斎の魅力は、一つの章でたっぷり紹介する。世界に3点しか確認されていない大判の美人大首絵シリーズの一つ「風流なくてなゝくせ 遠眼鏡」(後期)は特に状態がよく、注目だ。このほか、幕末、名所絵の歌川広重、ケレン味豊かな国芳らの作品も展観し、江戸に極まった美の世界へ誘う。

喜多川歌麿「歌撰恋之部 物思恋」
1793~94(寛政5~6)年ごろ=前期
菱川師宣「衝立のかげ」
1679~84年(延宝後期―天和期)ごろ=前期
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
1831(天保2)年ごろ=前期
歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」
1857(安政4)年=前期
案内
■会  期前期=7月3日(火)~8月5日(日) 後期=8月8日(水)~9月30日(日)会期中無休
■開館時間午前10時~午後5時(入館は閉館30分前まで)
■会  場相国寺承天閣美術館(京都市上京区今出川通烏丸東入ル)
■主  催相国寺承天閣美術館、日本経済新聞社、京都新聞
■入 館 料一般1000円 65歳以上・大学生800円 高・中・小学生500円 20人以上の団体800円
■イベント浮世絵版画の摺り実演会(協力・アダチ版画研究所)=7月28日午前11時と午後2時半。定員50人(先着順)。参加無料(各開始1時間前に整理券を配布)▽記念座禅会=8月25日午後2時、定員70人(先着順、開始30分前から整理券配布)※いずれも本展観覧券が必要。
(c)Lee E.Dirks Collection
【2018年7月2日付京都新聞朝刊掲載】