ロマネスク様式の高い天井の下、畳に正座した信者が祭壇に向かって祈りをささげる。中央に十字架のイエス・キリスト像。その左の像、聖ヨハネはヨルダン川でキリストを洗礼した預言者だ。明治29(1896)年5月6日の献堂(竣工=しゅんこう)以来109年。100歳を超えてなお、創建時のままの姿で現役で生きる最長老の教会建築=写真上=だ。ステンドグラスの光が差す和洋折衷の空間で、信仰の姿が変わらぬシルエットを刻む。
敷地は、宮津出身の実業家が、キリスト教を信じて大病から救われたと喜び、奉献した。宮津を拠点に布教したルイ・ルラーブ神父(パリ外国宣教会)が、フランスから聖像、ステンドグラス、祭壇、聖具、エッチング「十字架への道行き」などを取り寄せ、宮津の大工が建てた。
長い祈りの時間のしみこんだ荘厳な空間を今、各地の観光客が見入る。この春着任した三輪周平司祭(52)は「丹後へ来る特急の車内ポスターには、宮津の観光地としてこの教会の写真があるんですよ」。
教会近くの信者さんが折々に聖堂の案内をする。その声が太いケヤキの柱、畳の上に突き上げた円柱の土台石の間を渡る=写真右=。「子どものころ通って、40代からまた毎日お参りしてます。ここへ来ると気持ちがスーっとする」。話すほどに笑顔になった。