Kyoto Shimbun
「大学全入時代」とは何か 私大トップに聞く

龍谷大 神子上恵群学長 同じ建学精神のもと 全国連携進める

 −「大学全入時代」とは。
 志願者数と大学の受け入れ総数は69万9000人で一致するといわれている。2020年の18歳人口予想は188万人だから、大学進学率が55%に上がったとしても志願者数は64万5000人となる。その差5万人というのは、龍谷大の規模で10以上の大学が志願者ゼロになるすごい数。必死にならざるを得ない。

みこがみ・えぐん 1961年龍谷大文学部卒。2003年から現職。龍谷総合学園理事長、大学基準協会評議員も務める。専門は西洋近世哲学。68歳。

 よく二極化するといわれるが、上位の方でもさらに能力差や学力差が開き、再び二極化が起きる。個性を持ち、存在する意味のある大学でなければ巻き込まれてしまう。

 −対策は。
 私たちのように建学の精神を声高に掲げる大学は、他大学との合併も容易ではない。そのため、関東や九州など各地にあり、建学の精神が同じ24学園が加入する「龍谷総合学園」の中で学校間連携を考えている。学園内には付属の小中高校も多く、高大連携や短大と大学の連携などが全国のネットワークで考えられる。各大学は薬学や看護学など多様な学部を持っており、その中で好きな学部学科を学生が選べるようにすれば、同じ精神のもとで新しい一貫教育の形ができると思う。

 −懸案の平安高との連携は。
 当初は全面付属化を考えたが時期が早かった。共同でカリキュラムを作った平安高のプログレスコース(定員90人)は好評で、枠を150人に広げたい。その先、数年後に付属化を考えている。

 −龍大の独自性とは。
 世界水準とかフロントランナーになるという大学があるが、なって何をするのかという問いもある。知識より知恵が身に付くよう教養教育に力を入れたい。龍大ならではのものとして、09年の「創立370年」に向けて仏教博物館の建設を検討している。相次いでいる小学校計画については、もう一つ理解できない。龍谷は小さいながら昔から全国大学で、地域限定的な勉強の場を作る発想はない。

 −今春、「ゆとり教育」世代が入学する。
 「全入時代」のもう一つの問題として入学試験の平易化が起き得る。ゆとり世代の入学が重なり学力低下に拍車がかかるでしょう。自分で問題を考え解決するといった、ゆとり教育の良い面を伸ばせるように引き受けていきたい。

[2006年3月23日掲載]