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ラグビー女子W杯 知名度向上、普及の好機に

運動部 後藤創平
京都府ラグビー協会が開いている女子ラグビーの練習会でプレーを楽しむ高校生ら(宇治市・太陽が丘)
京都府ラグビー協会が開いている女子ラグビーの練習会でプレーを楽しむ高校生ら(宇治市・太陽が丘)

 ラグビーのワールドカップ(W杯)で日本が南アフリカに歴史的勝利を挙げてから2年。熱心なファンでなくても、歓喜の映像を記憶している人は多いと思う。2019年には日本でW杯がある。一方で今年8月、アイルランドで女子W杯が開催され、日本が出場することをどれだけの人が知っているだろうか。

 女子W杯は1991年にウェールズで第1回大会が開かれた。日本は94年の第2回大会で初勝利を挙げたが、他国との力の差は大きく、近年は3大会連続で出場を逃していた。今夏の大会は実に15年ぶりの晴れ舞台となる。

 今大会を、女子ラグビーの知名度アップや普及のチャンスと捉えたい。日本ラグビー協会や都道府県協会はもちろん、学校や地域の競技関係者へ、一人のファンとしてできることを提案したい。

 一つは、女子ラグビーに対する認識を改める必要がある。「か弱い女性にはできない」「野蛮で危険」などの偏見は少なくなってきたが、漠然とイメージしている人はいる。男女を問わずチームスポーツとして優れ、タックルのない安全なタグラグビーから始められるなど、正確な理解を広めることが大切だろう。男子の大会と同じ会場で女子の試合が行われるケースも増えている。まず女子ラグビーを知らない人に観戦し、プレーを確かめてもらおう。

 もう一つは、女子選手の受け皿を増やしてほしい。小学生から中学、高校、大学へ進むにつれ、女子がプレーできるチームは減る。京都府ラグビー協会が立ち上げた女子クラブ「京都ジョイナス」でプレーする中学生の多くは今春、充実した環境を求めて他府県の高校に進むという。

 滋賀県ラグビー協会は2013年に湖国初の女子チームとなる「BREEZE(ブリーズ)」を設立し、普及に取り組んでいる。府ラグビー協会も今年から、年齢や経験を問わずに参加できる練習会を月1回のペースで始めた。同協会女子ラグビー担当の赤月幸子さんは「子どもがいるお母さんや、試合を見ているだけでは物足りない女性にも単純に楽しんでもらいたい」と狙いを語る。ラグビーに興味を持った女子がプレーできるグラウンドや指導者の確保は、競技関係者の腕の見せどころとなる。

 最後に、日本協会は一層のPRを進めてほしい。19年W杯の公認キャンプ地の応募には、37都道府県の90自治体から76件が寄せられ、事前の予想を上回った。ラグビーに関心を持つ自治体は多い。キャンプ招致と女子W杯をセットでアピールするよう促すことは難しくないはずだ。

 昨年亡くなった平尾誠二さんもラグビーの価値向上に向け、女子の認知・普及・競技力向上に力を尽くした。女子W杯は8月9日開幕。日本はフランス、アイルランド、オーストラリアと対戦する。

[京都新聞 2017年3月8日掲載]

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