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東京五輪・パラリンピック 代表選考過程にも注目

運動部 河北健太郎

陸上世界選手権女子マラソンのゴール後、苦しそうな表情を浮かべる安藤友香と清田真央(手前)。東京五輪へ長期的な強化が課題になる=ロンドン(共同)
陸上世界選手権女子マラソンのゴール後、苦しそうな表情を浮かべる安藤友香と清田真央(手前)。東京五輪へ長期的な強化が課題になる=ロンドン(共同)

 2020年の東京五輪開幕まで3年を切り、東京パラリンピックも間もなくあと3年を迎える。大一番に向けた代表争いが熱気を帯びつつあり、これからの展開に目が離せない。

 6日に行われた陸上世界選手権のマラソンで、日本勢最高は男子が川内優輝選手(埼玉県庁)の9位、女子は清田真央選手(スズキ浜松AC)の16位。出場した6人全員が入賞を逃し、19年秋以降に開かれる東京五輪代表選考大会「グランドチャンピオン(GC)レース」の出場資格を獲得できなかった。

 東京五輪代表はGCレースで男女各2人を選出。残り1枠は19年秋〜20年春に男女各3大会開催する「ファイナルチャレンジ」の記録最上位者を選ぶ。GCレースへの出場は、今月27日の北海道マラソンから19年春までの国内主要大会で、一定の順位とタイムで走ることが条件になる。

 つまり五輪代表入りには2度のマラソンで結果を出すことが求められ、より長期的な強化が必要になった。スズキ浜松ACの里内正幸コーチ(比叡山高−山梨学院大出)は「初マラソンでも記録は出せる。勢いのある選手が選ばれないのは残念」と語る。だが、日本陸連の危機感は強い。女子では2008年北京大会以降、入賞さえ果たすことができず、河野匡長距離・マラソン・ディレクターは「自分の力をマラソンで出し切る選手が必要」と強調する。

 東京のマラソン出場を目指す若手選手は多い。男子は23歳の一色恭志選手(GMO、京都府与謝野町出身)、女子はリオデジャネイロ五輪5000メートルで20年ぶりに決勝進出した上原美幸選手(第一生命)が注目株。ベテランでは35歳の福士加代子選手(ワコール)も東京を目指すことを明言し、いよいよマラソンの代表争いが本格化する。

 パラリンピック競技はまだ選考は始まっていないが、自国開催枠のため出場が有力視される団体競技では、代表入りを懸けて選手がしのぎを削る。視覚障害者スポーツのゴールボールや、座ったままでプレーするシッティングバレーボールでは、男女ともに京滋の選手が活躍している。

 個人種目でも各選手が奮闘中だ。パラトライアスロンの宇田秀生選手(甲賀市)は今季から障害のクラスの枠組みが変わり、厳しい戦いとなった。それでも「今から頑張らないと、スタートラインにも立てない」と7月下旬の大会では2位に入った。

 五輪、パラともに、一つの大会で代表を決める競技は多いだろう。そこには一発勝負の怖さも加味される。

 6月の陸上日本選手権男子100メートルは、桐生祥秀選手(東洋大、洛南高出、彦根市出身)が4位で同種目の世界選手権代表を逃した。この経験を糧に、桐生選手は東京五輪へ向けて挽回に燃えるだろう。飛躍と成長を繰り返すアスリートたちの一歩一歩は日に日に重みを増す。大舞台への勝負はもう既に始まっている。

[京都新聞 2017年8月9日掲載]

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