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「道路寸断したら逃げられない」 滋賀の原発30キロ圏住民

滋賀県の避難計画認知度
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 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の30キロ圏に位置する滋賀県高島市朽木地区の住民アンケートからは、避難経路が山中の道路しかなく「土砂崩れが起きれば逃げ道がない」という高齢者らの不安が浮かんだ。滋賀県の計画による避難手順を知らない人が多く、情報周知の強化を求める声が相次いだ。

 「事故が起きたら原発から離れたいけど、道がふさがれると山を下りられない」。西島雪枝さん(77)は危機感を抱いている。

 滋賀県南部や京都、大阪府への避難路は山中の集落をつなぐ道だけ。原発事故と大地震の複合災害では道路が崩れ、孤立しかねない。細く険しい場所も多く、住民は「避難できるよう道路を整備してほしい」と行政への要望を挙げた。

 県が策定した避難計画の中身を「知らない」人は9割に上る。岡田辰男さん(83)は「避難の段取りは分からない」。計画では避難所に逃げる前に「中継所」に立ち寄り、被ばく検査や除染を行う手順だが、「中継所の場所を知らない」という声が目立った。

 県や高島市が実施した原発防災訓練に参加経験のある男性(70)は「訓練は行政の言う通りに行動しただけ。正直、計画は理解できていない」と打ち明ける。男性(65)は「住民説明会をもっと増やしてほしい」と情報周知を求めた。

 回答した住民は平均年齢69歳。独居高齢者が多く、自身で車を運転できないケースがあった。「地域で原発を話題にすることは少ない」と関心が高まっていない現状を語る人もいた。

 原発再稼働に関しては、「琵琶湖に注ぐ川が汚染される。絶対に反対」とする声が出た一方、「規制基準が厳しくなっている。電力のために必要では」と容認する意見が聞かれた。

 県原子力防災室は「山道が寸断された場合、復旧作業を急ぎ、ヘリでのピックアップも検討する。計画の周知不足は大きな課題。訓練や説明会で繰り返し情報を伝えていきたい」としている。

【 2018年03月11日 09時12分 】

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