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「自殺しないで」深夜の声掛け 京都・船岡山で10年超

公園内を巡回し、自殺を図ろうとする人への声掛けを続ける長田さん(京都市北区・船岡山公園)
公園内を巡回し、自殺を図ろうとする人への声掛けを続ける長田さん(京都市北区・船岡山公園)

 京都市北区の男性が、同区の船岡山公園を毎晩、見回り、自殺を図ろうとしている人に声を掛け続けている。活動は10年を超え、自殺を食い止めたこともあるという。「本人が生きたい、と思うまで向き合う」。自殺予防週間(16日まで)を迎え、男性は思いを強くしている。

 警察署協議会(北署)の副会長を務める長田渉さん(45)。20代の頃、出身地の鳥取県で、深夜にたむろする少年やホームレスらを見守る防犯活動に取り組んでいた。京都に移住した13年前、自宅近くの船岡山公園で、毎年数人の自殺者が確認されていることを知り、声掛けを始めた。

 長田さんは、午後10時半ごろから見回りを始め、未明まで公園内にとどまる。自殺を考えている人を見つけると警戒心を解くため、「どげしたん(どうしたの)」とあえて出雲弁で話しかける。たばこを吸うそぶりをして「火を貸して」と会話の糸口を探ったり、あめやチョコレートを一緒に食べたりしたこともある。

 おととし、深夜の公園でうずくまっている男性を見つけた。男性は大学院生で研究成果が出ず、親の期待に応えられないと嘆き、死をほのめかした。「なるようになる。やれることをやろう」などと伝え、対話は約2時間続いた。男性は自殺を思いとどまり、後日、「元気でやってます」と巡回中に伝えに来たという。

 長田さんはこれまでに遺体を見つけ、「防げなかった」と悔やんだこともある。それでも、自殺を考えている人は誰かに止めてほしい願望があるとし、声を掛け続ける。「今は大きな悩みでも、後で振り返ればささいな出来事になることもある。心持ち次第で状況は変わる」

【 2017年09月13日 12時00分 】

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