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標高低い山での遭難急増 京都市近郊「過信せず準備を」

人気の「京都一周トレイル」の案内看板。登山道と異なる脇道が右奥に続く(京都市西京区・松尾山)
人気の「京都一周トレイル」の案内看板。登山道と異なる脇道が右奥に続く(京都市西京区・松尾山)

 京都市近郊にある標高の低い山で、登山者の遭難が急増している。2017年の京都府内での遭難は過去10年で最多の46件あり、うち9割は京都市近郊の山で発生した。近年の登山ブームで、準備不足のまま入山する人が増えているのが要因で、専門家は「低い山でも過信せず、ゆとりを持って登山計画を立ててほしい」と注意を呼び掛けている。

 17年11月下旬の昼すぎ、上京区の70代夫婦が西京区の松尾山(標高275メートル)を訪れた。2時間ほどで下山する予定だったため、非常食や防寒着は用意していなかった。道中、他の登山者から保津峡に抜ける登山道を紹介され、ルートを変更。しかし、日没とともに登山道は暗闇に包まれ、獣道に迷い込んだ。

 深夜、家族の通報を受けて捜索に来た西京署員らと合流。ともに山中で一夜を過ごし、翌朝、下山した。2人は登山歴30年のベテランで「地図があるので帰れると思った」と話したという。

 京都府警によると、17年の府内の山岳遭難件数は46件で前年の約3倍に上った。遭難場所の9割が京都市近郊の低山で、大文字山(466メートル)が最多の10件、愛宕山(924メートル)が4件、小倉山(296メートル)と貴船山(700メートル)が3件で続いた。特に、人気の「京都一周トレイル」コースに集中していた。

 府山岳連盟(南区)の湯浅誠二理事長によると、近年は登山を愛好する中高年が増え、低山の人気も高いという。しかし、低山には登山道以外の獣道や脇道が多いなど、高山とは異なる危険がある。「目印となる場所や案内看板を小まめに確認することが大事。日暮れ時に道に迷うケースも目立っており、慢心せず、早めの入山を心掛けてほしい」と話す。

 昨年遭難した全員が登山届を警察に提出していなかった。登山届はルート確認や装備品の点検ができる上、万一の際の効率的な捜索にもつながる。府警ホームページからも提出できる。府警地域課は「携帯電話が通じなかったり、電池が切れたりして、通報できない場合がある。身近な山でも、登山届は提出してほしい」としている。

【 2018年01月12日 18時30分 】

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