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谷本社長「IoTと自動運転に力」 京セラ

京セラの谷本秀夫社長
京セラの谷本秀夫社長

 2018年の経済が動き始めた。京都、滋賀を代表する企業トップは、景気や市場の先行きをどのように見通し、次の時代に向けて自社事業をどう伸ばすのか。京セラの谷本秀夫社長に戦略とキーワードを聞いた。

 ■車載カメラと通信を一つのシステムに

 -2018年の部品需要は。

 「今年は(あらゆる機器をインターネットで結ぶ)『IoT』が相当な速度で普及すると思う。データセンター関連などの半導体需要が増えており、この流れは20年ごろまでは続く見込みだ。そのため、半導体製造装置向けの部品が好調で、顧客からは2倍の量を求められている。18年度に東近江市や鹿児島県、米国の工場増強で生産能力を少なくとも1・5倍にして対応したい」

 -力を入れる自動車向け部品事業の戦略は。

 「車載用部品事業の売上高は現在2千億円を超えた程度で、目標の3千億円を早く達成したい。伸びそうな製品は自動運転に使う車載カメラだ。立っている人だけでなく、自転車に乗っている人などの画像も認識でき、自動車メーカーに売り込む。ほかに(事故防止に向けて)車と車、車と信号機の間で通信するための機器にも力を入れる。車載カメラと通信機器は一つのシステムにして販売する方針だ。関係する研究者の所属が分かれていたが、今月に統合した」

 -18年度の業績目標や設備投資、M&A(企業の合併・買収)についての考えは。

 「増収を継続し、(21年3月期に目指す)売上高2兆円への足掛かりにしたい。需要は事業全般で多く、18年度の設備投資は前年度計画の800億円を上回り、過去最大になりそうだ。17年度は5社を計約1千億円で買収したが、18年度も同程度掛けたい。分野は半導体製造装置向けのファインセラミックス関連などで考えている」

 -売上高2兆円とその先に向けた戦略は。

 「上積みすべき約5千億円は、自力成長とM&Aの半々で達成したい。2兆円までは現在の延長線でいけそうだが、その先は新規事業が必要だ。そのため、さまざまな技術分野の社員が集まり、どんな製品を作るか決める仕組みを設けた。特にIoTでデータを取得、保存、解析する分野と、電子化する自動車の分野の需要はきっちり取り込みたい」

 -不振のため構造改革を行ったスマートフォンなどの携帯電話端末事業と、太陽光発電パネル事業は。

 「携帯端末は国内の開発機種数を維持する一方、北米はさらに絞り、その分の開発資源を車載用の通信機器に充てたい。太陽光パネルは、再生可能エネルギーの買い取り価格の低下で、1、2年は厳しい。発電した電力を自宅などで使う『自家消費』向けの製品をそろえて伸ばしたい。滋賀県に2カ所ある太陽電池の生産拠点の見直しも考えている」

 ■キーワードは「挑戦」

 京セラは新しいことにチャレンジする会社だったが、それが薄れてきた。これまで事業本部の縦割りが強く、違う製品を組み合わせる取り組みが弱かったが、今後は成長に向けて分野をまたいだ製品などを開発したい。

【 2018年01月11日 18時01分 】

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