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高級食材ナマコ、新名物なるか 京都・舞鶴市がブランド化目指す

京都大舞鶴水産実験所で飼育されているナマコ(舞鶴市長浜)
京都大舞鶴水産実験所で飼育されているナマコ(舞鶴市長浜)

 中国で高級食材として人気のナマコ(マナマコ)が近年、京都府舞鶴市で注目を集めている。市内にある大学の施設では数年前から研究が始まり、市はナマコのブランド化に着手。ただ資源管理は世界的な課題になっており、17日に市内で初めて開かれた「舞鶴ナマコシンポジウム」ではナマコを取り巻く状況や府内での管理の取り組みが紹介された。

■ナマコ「舞鶴の名物に」

 とげがあり細長く丸い形。濃緑、赤褐、白などさまざま色をして水槽の底や壁面でじっとしている。舞鶴湾に面した京都大舞鶴水産実験所(同市長浜)では約100匹のナマコが飼育されている。所長の益田玲爾准教授(魚類心理学)は「生態に関してはまだ分からない部分が多い。地味に思われがちだが面白い生物」と語る。

 ナマコはヒトデやウニと同じ棘皮(きょくひ)動物の一種。活動は主に冬で、敵を避けるためか夏は岩場などに隠れ「夏眠」する。同実験所は中国での需要の高まりに伴う乱獲などを受け2010年ごろからナマコの研究を始め、舞鶴湾や福井県高浜町の内浦湾では海に潜って大きさや個体数などを記録してきた。ナマコに発信機を付けて動きを追跡し、舞鶴湾や宮津湾では分布調査もしている。

 益田所長は「ナマコは海底の泥の中の腐った海藻や植物プランクトンを食べる『海の掃除屋』。いなくなると海の環境が崩れるかもしれない。資源を守るためには生態について知ることが不可欠だ」と指摘する。

 府内では日本海沿岸での素潜りや底引き網などで取られ、最も漁獲量が多い舞鶴市は干しナマコ料理の提供店を募ってPRを強化。市内の4店舗が昨年8月から炒め物や炊き合わせなどさまざまなメニューを用意し、市水産課は「ナマコを舞鶴の新しい名物として定着させたい」と意気込む。

■ナマコ密漁、栄養剤や石けんの材料に

 ただナマコシンポジウムでは、赤嶺淳・一橋大教授(食生活誌学)が、中国を中心に各地で食材のほか栄養剤や石けんなどの原料としてナマコが大量に消費されている状況を説明。乱獲のほか密漁も問題になっており「資源を守り持続的に利用していくことが重要だ」と強調した。

 府内でも資源管理の取り組みが始まっており、宮津なまこ組合の事例を栗田紘一組合長が紹介。組合は宮津湾内のナマコ漁で2012年度から規制を強化し、300グラム未満のナマコの漁獲をやめ休漁日を設けるなどしている。

 現在は資源が回復傾向にあり、大型の増加で出荷の際の単価も高くなっているという。栗田組合長は「厳しい規制だが以前と変わらない水揚げ額を確保できている。操業時間が減ってゆとりもでき、高齢の漁業者がいる中でありがたい効果になっている」と話した。

【 2018年11月25日 12時00分 】

ニュース写真

  • 京都大舞鶴水産実験所で飼育されているナマコ(舞鶴市長浜)
  • 資源管理の在り方などを考えた舞鶴ナマコシンポジウム(同市北吸・舞鶴赤れんがパーク2号棟)
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