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京大生「火星」滞在へ 宇宙基地想定の施設で模擬実習、米で8月

「宇宙基地」に見立てた隔離施設を使っての実習について説明する土井教授(中央)ら=京都市左京区・京都大
「宇宙基地」に見立てた隔離施設を使っての実習について説明する土井教授(中央)ら=京都市左京区・京都大

 火星に建設された「宇宙基地」に見立てた隔離施設で、大学生が宇宙でのミッションを模擬的に体験する実習を8月に米国で行うと、京都大の山敷庸亮教授や宇宙飛行士の土井隆雄教授らのグループが9日、発表した。有人火星探査や火星移住構想などに関心が高まる中、土井教授らが指導し、共同生活を通じ将来の宇宙活動をリードする若手の育成プログラムの構築を目指す。

 実習は京大と米アリゾナ大が共同で、それぞれ5人前後の学生を公募し、1991年に米アリゾナ州に作られた施設「バイオスフィア2(B2)」で行う。甲子園球場(兵庫県西宮市)のグラウンド面積とほぼ同じ1・27ヘクタールあるB2内部には、熱帯雨林や海洋、サバンナなど地球環境の一部を「再現」したエリアがあり、外界の環境から隔離されていることで独自の生態系が形作られている。91年から2年間は、科学者の男女計8人が自給自足の共同生活を送る長期実験が行われた。

 学生たちは5泊6日の日程で魚やサンゴ、植物を調査したり観測機器への飛砂の影響などを調べる。滞在中の心理ストレスや健康のチェックも行う。実習の結果は宇宙飛行士も実際に使う「クルーノートブック」にまとめる。

 土井教授らは2017年から、学生が宇宙活動を模擬体験する科目「有人宇宙学実習」を京大花山天文台(京都市山科区)で行ってきた。京大の総合生存学館と宇宙総合学研究ユニットは昨年2月、B2を運営するアリゾナ大と協定を結び、同実習を国際的な形で発展させることにした。

 山敷教授は「次世代の有人宇宙学を引っ張る研究者を育てる教育プログラムとして構築し、世界に発信したい」と意気込む。土井教授は「参加者がチームとしてどのような力学をみせるかにも興味がある。宇宙飛行士を目指す若者が出てきてほしいし、実習の取り組みが教育ノウハウとして蓄積されれば」と期待した。

【 2019年01月10日 12時28分 】

ニュース写真

  • 「宇宙基地」に見立てた隔離施設を使っての実習について説明する土井教授(中央)ら=京都市左京区・京都大
  • バイオスフィア2内に再現されたサバンナ(京都大提供)
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