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インデックス

(499)みんなでクモ合戦

作品

・はしったらちょうちょにぶつからないかな
長岡京市・ゆりかご保育園年中 植 湊一朗

・ばあちゃんとあんこ2倍のよもぎもち
京都市・向島秀蓮小中4年 佐藤 珠穂

・家の前ドリブル練習若葉風
大津市・瀬田北小4年 小森 春輝

ねんてん先生

ねんてん先生の575

今季(4~6月)の優秀句の発表です。

 植さん。「ちょうちょにぶつからないかな」と心配したところがとてもすてき。ぶつかるというと、最近(さいきん)、クモにぶつかりました。朝早くに散歩(さんぽ)に出たら、道にクモがアミを張っていたのです。それに気づかずに歩いたので、顔がクモの糸だらけ。クモが私の鼻とぶつかりました。

 それで思い出したのですが、小学生のころの今じぶん、庭でクモを飼(か)っていました。ハエやカツオブシのくずなどをやって育てたのです。なんのためかというと、クモ合戦の勇士にするため。50センチくらいの細い棒の両端(りょうはし)にクモを置くと、棒のまんなかあたりで出合い、たがいに相手を落とそうと争います。糸を出して相手をくるもうともします。これがクモ合戦で小学生の夏の楽しみでした。クモはコガネグモという腹に黄色い筋(すじ)の入ったクモです。私は数匹、このコガネグモを庭で飼っていました。

 佐藤さんは右のクモ合戦に興味(きょうみ)を示しそう。もしコガネグモが見つかったら、おばあちゃんとやってほしいなあ。おじいちゃんもいるようでしたら、おじいちゃんもきっとクモ合戦に加わるよ。

 小森さん。若葉風という季語の使い方がとても見事です。「サッカーのボールを包む春の雨」もそうですが、季語をいかして、575の言葉の風景をくっきり描いています。その風景が読者の想像(そうぞう)をかきたてます。
(俳人、京都教育大・佛教大名誉教授 坪内稔典)

 

小学生の俳句を募っています。作品3点までと、住所、氏名、学校名、学年、電話番号を明記し〒604-8577 京都新聞文化部「ねんてん先生の575」係。メールは575haiku@mb.kyoto-np.co.jp

【2019年06月23日掲載】