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(477)言葉遊びで表現楽しむ

作品

・サザンカがポンポンさいて3×3=9
京都市・北白川小2年 澤田 結生

・さざんかはハートのはなびらちっていく
甲賀市・油日小1年 和田 萌

・でたくないあったかもうふにつかまった
京都市・花背小中1年 朝岡 達史

ねんてん先生

ねんてん先生の575

 澤田さんの3×3=9の読み方、わかるだろうか。もちろん、サザンガク。掛(か)け算のサザンという言い方、サザンカという花の名前、その二つをかけた言葉遊びです。

 和田さんは、サザンカの花びらを「ハートの花びら」と見ました。このような表現、すなわち別のものに見なす表現を見立てと呼ぶ。この見立ても言葉遊びの一つです。

 朝岡さんの句では、「もうふにつかまった」に擬人法(ぎじんほう)という表現の仕方があります。毛布は人でないので、つかまえるということはしません。でも、朝岡さんは毛布を人と同じように見なして、出るな出るなとつかまえている、と表現したのです。擬人法にも遊びがあります。

  春立つとわらわもしるや飾り縄(なわ)
                    芭蕉(ばしょう)

 右の芭蕉の句の「わらわ」は子ども、「飾り縄」は正月のしめ飾り、「春立つ」は正月が来た、です。昔は正月が春の始まりだったのです。芭蕉の句は、しめ飾りを見たら、子どもでも正月になったと分かる、という意味ですが、では、どうして子どもに分かるのでしょうか。

 「わらわ」に「わら(藁)」があり、飾り縄も「わら」で作られています。二つは「わら」どうし、だから分かるのです。

「わらわ」にはわら(藁)と子どもがかかり、かけ言葉になっています。さらに、「飾り縄」はわらと縁(えん)のある言葉、すなわち縁語(えんご)です。芭蕉は575の表現においていろいろと言葉遊びを楽しんでいます。(俳人、京都教育大・佛教大名誉教授 坪内稔典)

 

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【2019年01月13日掲載】