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宝ホールディングス社長 木村睦氏

海外売上比率50%に
木村睦氏
きむら・むつみ 京都大経済学部卒。1985年に宝酒造入社。タカラバイオ副社長などを経て2014年に宝ホールディングス取締役、16年6月に副社長。今年6月から現職。京都市出身。55歳。

 酒類大手の宝酒造(京都市下京区)の持ち株会社、宝ホールディングスの新社長に、前副社長の木村睦氏が就いた。2018年3月期は過去最高の売上高と経常利益を上げ、中期計画も上方修正した。業績が好調に推移する中、次の成長に向けた戦略をどのように描いているのか聞いた。

 -経営方針は。
 「増収増益を今後も続けたい。過去と少し違うのは、特に子会社のタカラバイオで一時的に収益が大きくなっている。目指すのはそういうもの抜きでの増収増益だ。国内の売り上げは最低でも維持するか、少し伸ばし、海外売上比率をグループ全体で将来的に50%ぐらいに高めたい」

 -宝酒造の事業は。
 「国内のアルコール総消費量は減少すると見ざるを得ない。消費者に受け入れられる商品を継続的に出すことに尽きる。独自技術に裏付けされた商品を世に出し、勝ち残りたい。品ぞろえも充実させる。市場が縮小してもシェアを増加させる」

 -売り上げをけん引するソフトアルコール類の競争が激しい。
 「ビールメーカーを中心に競合が品ぞろえを増やしている。他社と同じでは勝てないし、体力では勝負にならない。樽熟成焼酎という強みを生かし、味わいのある商品を出す。ドライ系のソフトアルコール類は譲れない」

 -海外事業を手掛ける宝酒造インターナショナルはどうか。
 「世界的に酒類は非常に好調。清酒製造は米国で年率6%伸びており、前期に生産能力を2割弱アップさせた。3、4年でまた増強するだろう。中国も堅調で期待できる。日本食材卸は年率10%で伸びている。これからは米国を伸ばしたい。ヨーロッパは業界1位だが、米国は業界3位で伸びしろがある。全米で現在9カ所の拠点を、将来的には二十数カ所にしたい」

 -タカラバイオは遺伝子治療薬の承認申請が目前だ。
 「再生医療製品はここまでの研究開発が花開く寸前だ。ぜひ実現させたい。一つの安全な遺伝子治療薬が世の中に出ることは、単に一つの製剤ができる以上の意味合いがある」

【2018年08月29日掲載】