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京都市、高さ規制緩和へ

一部地域 若者流出防ぐ狙い

 京都市は15日、一部地域で建物の高さ規制を緩和する方針を明らかにした。良好な景観への貢献など一定の条件を設ける。市中心部では訪日外国人観光客の急増でホテルの建設が相次ぎ、地価が急騰。市民の新たな住まいや働く場の確保が困難になっている。規制緩和によりマンションやオフィスビルを増やし、子育て世帯の市外流出を防ぐ狙いがある。京都の歴史的なまち並みを守るとして、市が2007年に導入した新景観政策で高さ規制を見直すのは初めて。

 市は高さ規制を緩和する地域の例として、上限が20メートルに設定されているJR丹波口駅(下京区)西側エリアなどを想定する。同エリアは五条通が拡幅したことに加え、企業が集積する京都リサーチパークが満室に近いため、同駅から西大路通までの五条通沿道を緩和対象に検討する。

 また、良好な景観につながる建物に対し、上限を超える高さを認める「特例許可制度」も見直す。許可制度を活用した新築の建物はこれまでに7件しかなく、ほとんどが病院や大学といった公的施設だ。許可には時間がかかる上、上限を超える高さの基準も明確でないため、民間事業者は敬遠している。

 そこで、市は許可制度で認める上限を、景観上許容できる地域では明示する。具体例として、御池通沿道や市営地下鉄竹田駅(伏見区)、太秦天神川駅(右京区)、JR山科駅(山科区)周辺を挙げる。一方、京阪出町柳駅(左京区)周辺など、眺望上の配慮が必要な地域については設定しない。事業者が許可を得るには、地域のまちづくりに貢献する計画の提出などを条件とする。

 さらに、新景観政策の導入前から建っている「既存不適格建物」の増築などについては、特例許可制度の手続きを簡素化する。

 市は同日夜、市内の有識者会議で規制緩和案を示した。会議は市民意見の募集などを経て、本年度中に門川大作市長へ新景観政策の見直しを答申する予定。

【2018年11月16日掲載】