2018年も残すところあと1週間あまりとなりました。豪雨に台風、地震や猛暑と、自然災害が印象に残る1年でした。京都・滋賀でもさまざまな出来事がありました。歳末恒例の京都新聞社が選んだ「10大ニュース」で振り返ります。(文中の年齢は掲載日当時)

京都10大ニュース
  1. (1)自然の脅威 府内襲う
  2. (2)本庶氏にノーベル賞
  3. (3)民泊新法施行 京都市は独自規制
  4. (4)府知事に新人西脇氏
  5. (5)大阪北部地震 交通まひ
  6. (6)女性と土俵問題 舞鶴から議論呼ぶ
  7. (7)龍谷大平安 甲子園100勝
  8. (8)野中広務氏死去
  9. (9)京大「タテカン」撤去 学生ら反発
  10. (10)府商業地 全国トップの上昇率
  11. 10大ニュースを見る
滋賀10大ニュース
  1. (1)彦根で警官同僚射殺
  2. (2)高島で陸自砲弾誤射
  3. (3)日野町事件 再審が決定
  4. (4)米原で京滋最強「竜巻」
  5. (5)甲賀市選管水増し不正
  6. (6)センバツに湖国勢3校
  7. (7)琵琶湖バラバラ殺人 10年経て進展
  8. (8)強制不妊 県が資料廃棄
  9. (9)三日月知事が再選
  10. (10)2代目うみのこ完成
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  1. (1)19歳巡査の実名と顔写真公表 滋賀県警、射殺事件で逃走中
  2. (2)チケキャン運営元社長ら書類送検 詐欺容疑で京都府警
  3. (3)救命中「女性は土俵から下りて」 大相撲巡業、市長倒れ
  4. (4)「セクハラトイレ」ついに改善 京都の中学、女子から男子丸見え
  5. (5)大雨で増水の川にシカ取り残される 京都、自力で泳いで脱出
  6. (6)「校舎80周走れ」生徒倒れ救急搬送 滋賀・中学部活顧問が指示
  7. (7)車の免許なく1人で遺体運ぶ? 滋賀の切断遺棄事件
  8. (8)スーパー刺傷「いやー」響く悲鳴 買い物客「今も怖い」
  9. (9)市バス運転手、乗客に「気色悪い」 京都、暴言で処分検討
  10. (10)琵琶湖岸の遺体は18歳女子高生 大橋から転落、自殺か

京都10大ニュース

1位自然の脅威 府内襲う

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西日本豪雨で水路や由良川の支流があふれ、一帯が冠水した福知山市の市街地(7月7日)=小型無人機から

 京都府内は7月から9月にかけ、豪雨や台風、記録的猛暑といった自然の脅威にさらされた。

 全国で犠牲者が200人を超えて平成最悪の豪雨災害となった7月の西日本豪雨では、綾部市で土砂崩れに民家が巻き込まれるなど府北部を中心に5人が死亡。福知山市では大規模な氾濫が発生し、浸水被害は府内で2千棟を超えた。

 8月には台風20号、9月には21号が相次いで近畿を直撃した。関西空港が冠水した21号では、京都市で最大瞬間風速39・4メートルと戦後最大を記録。大規模な停電や文化財被害のほか山林では倒木が相次ぎ、いまだ復旧の途上にある。

 「災害級」と言われた酷暑で、京都市内は7~8月、最高気温35度以上の猛暑日が歴代2位の計32日に達した。7月19日には京都市で過去最高タイの39・8度を観測。府内の熱中症搬送は計2千人を超えた。

2位本庶氏にノーベル賞

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ノーベル賞授賞式で、医学生理学賞のメダルと賞状を受け取った本庶佑・京都大特別教授(中央左)=12月10日、ストックホルムのコンサートホール(共同)

 今年のノーベル医学生理学賞を、免疫反応のブレーキ役となる膜タンパク質PD1を発見し、がん治療に革新をもたらした京都大特別教授の本庶佑(ほんじょたすく)氏(76)が受賞した。12月10日にスウェーデン・ストックホルムでの授賞式に出席し、米国の免疫学者ジェームズ・アリソン氏とともにメダルと賞状を授与された。

 授賞式後の晩さん会に出席した本庶氏は「がん免疫療法が地球上のすべての人に恩恵をもたらすように心から願っている」とスピーチ、拍手を受けた。

 PD1は一部のがんの治療薬として認可され、臨床の現場で目覚ましい成果を挙げている。一方で、患者によって効果に違いがあり、課題もある。本庶氏は治療効果を強める手法の開発にも取り組んでいる。また、基礎研究の必要性を説き、若手研究者支援のための基金に今回の賞金を寄付する意向も示している。

3位民泊新法施行 京都市は独自規制

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民泊新法施行とともに営業を始めた民泊(6月15日、京都市東山区)

 一般住宅に旅行者らを有料で泊めることを認める住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日、施行された。国が進める成長戦略の一環だが、外国人観光客が多い京都市では施行前から違法民泊が急増し、周辺住民の暮らしを脅かしていたため、市は独自の条例などで規制を強化した。

 新法では年180日の営業が可能だが、市は住居専用地域での営業期間を1~3月の原則60日に限定。さらに民泊の近くに管理者の駐在を義務付ける「駆け付け要件」も設けた。

 京都府警も対策に本腰を入れた。9月14日には「ヤミ民泊」を営んでいたとして、全国で初めて旅館業法違反などの疑いで旅館経営者らを書類送検した。

 施行から半年を経て、市内での届け出は299件。一方、比較的規制が緩い簡易宿所の増加を招いたほか、厳しい規制には業者から反発の声も出ている。

4位府知事に新人西脇氏

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京都府知事選で初当選が確実となり、支援者らと万歳する西脇隆俊氏(4月8日、京都市下京区のホテル)

 無所属新人の対決となった京都府知事選が4月8日投開票され、前復興庁事務次官の西脇隆俊氏=自民党、民進党、公明党、立憲民主党、希望の党推薦=が、弁護士の福山和人氏=共産党推薦=を約8万票差で破り、初当選した。

 4期務めた山田啓二氏の退任を受け、16年ぶりに新人だけの争いに。国政の与野党が西脇氏に「相乗り」し、1986年知事選以来9回連続で「非共産対共産」の構図になった。

 西脇氏は、山田府政の「継承と発展」を前面に人口減少対策やインフラ整備の推進などを訴えて支持を集めた。福山氏も独自色を出して善戦した。西脇氏は当選後、危機管理体制を強化し、西日本豪雨などの災害対応に当たった。

5位大阪北部地震 交通まひ

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大阪府北部地震で都市の交通網は大混乱した。JR京都駅改札口の前では通勤客らが座り込み、疲れた表情で運転再開を待った(6月18日、京都市下京区)

 6月18日午前7時58分ごろ、大阪府北部を震源とするマグニチュード6・1の地震が発生。最大震度は大阪府内で6弱、京都府内では京都、亀岡、長岡京、八幡各市と大山崎、久御山両町で5強を観測した。

 京都府内では自宅で転倒するなどして22人が負傷した。住宅被害は八幡市で5棟が半壊するなど府内で2680棟に上った。発生が朝の通勤時間帯だったため、鉄道や道路網のまひで市民の足が大混乱し、都市型災害への対応が課題として浮き彫りになった。

 大阪府高槻市の小学校ではブロック塀が倒壊して登校中の女児が死亡。京都府内でも建築基準法の高さ制限に適合しないブロック塀などの撤去が進められている。

6位女性と土俵問題 舞鶴から議論呼ぶ

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動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿された、救命処置で土俵に上がる女性たち(4月4日、舞鶴市)

 舞鶴市で4月4日に開かれた大相撲春巡業の一環の舞鶴場所で、くも膜下出血で倒れた多々見良三舞鶴市長(68)の救命処置中の女性が土俵から下りるよう場内アナウンスされ、「女性と土俵」の問題が大きな議論となった。

 女性たちが土俵上で心臓マッサージなどをしていた際、行司が「女性の方は土俵から下りてください」とアナウンスで促した。この件が報道されると、人命に関わりかねない事態でも「女人禁制」の慣習に固執する日本相撲協会の対応に批判が殺到。八角理事長(元横綱北勝海)が不適切だったと認め謝罪した。

 多々見市長は病院に搬送され、緊急手術で容体は安定。6月14日に退院し、28日に公務に復帰した。

7位龍谷大平安 甲子園100勝

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甲子園通算100勝を達成し、歓喜に沸く龍谷大平安ベンチ(8月11日)

 100回の記念大会となった全国高校野球選手権で、龍谷大平安高が史上2校目となる甲子園の春夏通算100勝を達成した。創部110年の強豪が高校球史に新たな歴史を刻んだ。

 8月11日の1回戦で鳥取城北高と対戦。2-2の九回2死から、四球で出塁した水谷祥平選手(2年)が二盗と三盗を成功させ、安井大貴選手(3年)のサヨナラ打で勝負を決めた。3回戦で日大三高(西東京)に敗れたが、京都勢通算200勝に王手をかけた。原田英彦監督(58)とナインの100勝への強い思いが凝縮した夏だった。

8位野中広務氏死去

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多くの人が参列した野中氏のお別れの会(4月14日、京都市下京区)

 京都の地方議員を振り出しに、内閣官房長官や自民党幹事長などの要職を歴任した元衆院議員の野中広務氏が、1月26日に92歳で亡くなった。

 南丹市(旧園部町)出身で園部町長や京都府議などを経て、57歳で衆院初当選。遅咲きながら、府議会野党時代に鍛えた舌鋒(ぜっぽう)の鋭さや情報収集力などを武器に、頭角を現し「影の総理」とまで言われた。一方で戦争体験を踏まえ、憲法9条の堅持を主張。政界引退後も、安倍政権が進める安全保障法制の見直しや改憲の動きを批判し「歴史に学ぶべきだ」と訴え続けた。

9位京大「タテカン」撤去 学生ら反発

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立て看板を規制する新ルールが始まり、撤去の通知書を貼る関係者ら(5月1日、京都市左京区・京都大吉田キャンパス)

 京都大の名物「立て看板(タテカン)」が京都市の条例に反するとして、京大が5月に一斉撤去した。一部の学生や教職員は「表現の自由を奪う」「学内の議論が不十分」と反発し、設置と撤去が繰り返された。

 撤去後は、看板を横にした「寝看板」や缶を立てた「立て缶」などユーモア溢れるオブジェも見られた。サークルの勧誘から政治的主張まで多様な内容があるタテカンの撤去は、表現や大学の自治を巡る社会の議論を巻き起こし、多くの講演会が開かれたりタテカンの復活を目指す市民の会ができたりした。

10位府商業地 全国トップの上昇率

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クレーンが並び、ホテルが次々に建設されているJR京都駅南側の地域。活発化する宿泊施設の開発で地価も上昇している(11月、京都市南区)

 国土交通省が3月に発表した2018年1月1日時点の公示地価で、京都府の商業地が前年比6.5%のプラスとなり、都道府県別の上昇率で全国1位となった。京都市を中心に活発化する宿泊施設の開発が地価を大きく押し上げた。

 7月1日時点の都道府県地価(基準地価)でも京都府は商業地の上昇率で全国一に。外国人観光客の増加を背景に京都市ではホテルや簡易宿所が次々に開業する「お宿バブル」の様相をみせる一方、地価が高騰してマンション建設は停滞。若年層が市外に流出する事態を招いている。

【次点】 強制不妊手術公文書破棄、特定困難に

【2018年12月24日付京都新聞朝刊掲載】