京都新聞
紙面特集

企画展 因幡堂 平等寺
龍谷大 龍谷ミュージアム

京の真ん中の宝物

【重要文化財】因幡堂縁起(部分) 鎌倉時代 東京国立博物館
展示期間:4月20日~5月19日 Image:TNM Image Archives
【重要文化財】薬師如来立像 平安時代 平等寺
Image:TNM Image Archives
画像提供:東京国立博物館

 四条烏丸の南にあり、因幡薬師として親しまれる因幡堂平等寺(京都市下京区)。病気平癒のお寺として、現在も多くの参詣者がある。

 本展は、この平等寺がどういうお寺かを解き明かす展覧会だ。平安後期に因幡国から伝来したとされる本尊の木造薬師如来立像(重要文化財)、鎌倉時代に描かれた「因幡堂縁起」(同、東京国立博物館蔵)ほか60件を超える宝物・史料が出展される。

 因幡堂の由来は天徳3(959)年、敏達天皇の血をひく橘行平(たちばなのゆきひら)が公用で因幡国に行き、病に倒れた。神仏に祈り、夢のお告げ通り海底を探すと薬師如来像が見つかった。行平は同地に堂を建てて像を安置した。

 病の癒えた行平が京に戻ると、ある晩来客があり、見れば薬師如来像が立っていた。行平は自宅をお堂に改造し、因幡堂と名付けた。因幡から現れたこの如来は善光寺(長野市)の阿弥陀如来、清凉寺(京都市右京区)の釈迦如来とともに日本三如来とされる。

 平安末期、高倉天皇が因幡堂を平等寺と命名し、中世には境内に市が立った。その姿は洛中洛外図に描かれ、同寺が舞台の狂言「鬼瓦」「因幡堂」が生まれるなど、広く親しまれた。

 長い歴史の中で平等寺は何度も火災に遭い、幕末の禁門の変でも焼けたがその都度再興し、現在に至っている。千年にわたり、京の中心で人々を見守ってきた「知られざる名刹(めいさつ)」。その歴史をひもとくことは、京の庶民史を知ることにもつながるだろう。


【重要文化財】薬師如来立像
平安時代 岐阜・延算寺
十一面観音立像 江戸時代 平等寺
平等寺一山建物惣絵図
江戸時代・天保13年 京都・聖護院
阿弥陀如来坐像 鎌倉時代 京都・西念寺
大黒天立像 室町時代 平等寺

案内
■会   期4月20日(土)~6月9日(日)月曜と5月7日休館(4月29日、5月6日は開館)
■会   場龍谷大 龍谷ミュージアム(京都市下京区、西本願寺前)
■開館時間午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■主   催龍谷大 龍谷ミュージアム、京都新聞、毎日新聞社
■共   催福聚山因幡堂平等寺
■特別協力浄土真宗本願寺派、本山 本願寺
■入館料一般800円(600円)、高大生500円(300円)、小中生200円(100円)
※かっこ内は団体(20人以上)料金
■記念講演会■ (1)5月18日(土)
   「因幡堂の霊験と芸能」因幡堂平等寺住職・大釜諦順師
(2)5月26日(日)
   「応仁の乱と中世京都」国際日本文化研究センター助教・呉座勇一氏
(3)6月2日(日)
   「因幡堂平等寺の中世・近世」京都文化博物館・長村祥知氏

※いずれも会場は龍谷大大宮学舎で午後1時半~3時。事前に申し込む。
聴講料は(2)のみ2000円(観覧券付き)、(1)と(3)は無料だが観覧券が必要(半券も可)。
先着200人。問い合わせは龍谷ミュージアム075(351)2500。
【2019年4月19日付京都新聞朝刊掲載】