日本人の忘れもの 知恵会議  ~未来を拓く京都の集い~

人のつながりが生む「であいもん」

武田隆久
武田病院グループ 理事長
武田隆久

京言葉にある「であいもん」。タケノコとワカメ、棒鱈と海老芋などの「おばんざい」を思い浮かべる方も多いでしょう。これは産地が異なるものが出合うことで、素晴らしい組み合わせの料理が生まれるのを指しています。
実は医療の世界も同様で、例えば調味料や写真フィルムの技術が再生医療や先端医療に結び付くなど、さまざまな「であいもん」が日々生まれています。
それは何も高度な科学技術に限った話ではありません。今われわれ医療機関は、「地域包括ケア」の担い手として、介護事業所の方や町内会、老人会など、さまざまな方のご協力の下、一緒になって患者さんや高齢者の方々を支援させていただいています。そこでは、医療と関係のない方々とわれわれがつながることで、誰かが支えられているのです。時にはそのつながり方が手本となり、他の多くの地域で生かされることも珍しくありません。身近な場所で「であいもん」は生まれているのです。
当グループではこうした人の出会いを重視した基本方針「ブリッジ・ザ・ギャップス(橋をかけよう)」を掲げ、日々の業務に邁進しています。皆さんともっとつながることでたくさんの「であいもん」を生み、安心ある明るい地域づくりに貢献していく考えです。ご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

武田病院グループ
京都市下京区塩小路通西洞院東入東塩小路町841-5 /Tel.075-361-1351
http://www.takedahp.or.jp/

「育てよう、未来の種」

瀧井傳一
タキイ種苗株式会社 代表取締役社長
瀧井傳一

私たちが毎日食する野菜や癒やしを与えてくれる美しい花。種苗業はそのもとである種を扱うことを生業としています。
当社は、創業より180年以上にわたり、「より良い種子の創造と安定供給により社会に貢献する」という企業理念の下、農園芸界の発展に寄与すべく取り組んできました。新しい品種の開発は、10年先、20年先の将来にどのようなものが求められ世の中に受け入れられるのかを予測し、それに向かって自然を相手に一段ずつ進歩を積み上げていかなければなりません。また、人々や社会の要望に応えるべく夢のある優良品種を創造するとともに、農業をとりまく環境が変化する中、その種を安定的に供給し続けることが当社の社会的責任であり、種苗業で最も大切な「信頼」に繋がります。
古来より農業は、自然と向き合いながら地道な作業を積み重ねることによって豊かな実りを獲得する営みであり、農業は日本人の精神性や文化を育む上で大きな役割を果たしてきました。スピード優先の時代だからこそ、四季の移ろいを感じ、一つ一つ小さな歩みを大切にする、日本人の根底に流れる心が以前にも増して重要になるのではないでしょうか。
豊かな食文化と潤いのある生活の実現のために、豊富な遺伝資源と確かな技術、そして農業への深い愛情をもって、これからもタキイは「未来の種」を育てていきたいと考えています。

タキイ種苗株式会社
京都市下京区梅小路通猪熊東入/Tel.075-365-0123
http://www.takii.co.jp/

創業の地 京都 賑わいのまちづくりに向けて

岡部恒明
株式会社髙島屋 執行役員 京都店長
岡部恒明

髙島屋は、1831年に烏丸松原で古着木綿商として創業し、その後、時代変化に対応し呉服商に転身、そして京都の産業振興策を商機と見て、貿易商、美術染織品製作、建装事業と事業を拡大しました。
1946年の戦後まもなくの頃、戦後の復興と街の賑わいに向けて、マーケットセンターを四条河原町に出店、それが今の百貨店である髙島屋京都店となりました。
現在は四条通の歩道拡幅効果もあり、来街者や買い物のお客さまで賑わい、さらに国内外の観光客数も年々増加しています。まさしくグローバル都市「京都」の中心地である四条河原町は素晴らしい街であるといえます。この素晴らしい街をさらに進展させ、誰もが立ち寄りたくなるスポットとなるよう、そのキーテナントとしての百貨店の集客機能を十分に発揮していきます。そして地域の皆さまや行政とともに連携し、四条地区のエリアモールの拠点として、街機能をさらに高めていきたいと考えています。
創業から戦後、髙島屋の先人たちが京都のさまざまな人たちとの出会いやその機会を大切にし、商いを通して、歴史と伝統のある京都を活力と賑わいのある街に成長させました。その思いと行動を、当社のアーカイブスとして私たち従業員全員が、今の時代とその未来に受け継ぎ、京都の「まちづくり」のために、さらに貢献してまいります。

株式会社 髙島屋京都店
京都市下京区四条通河原町西入真町52/Tel.075-221-8811
http://www.takashimaya.co.jp/

「変革」を原動力に新たなことへ挑戦

岡田博和
TOWA株式会社 代表取締役社長
岡田博和

長きにわたる歴史と文化を育んできた京都の地で、揺籃期にあった半導体製造装置の将来に思いを翔け1979年に創業して以来、私どもTOWAは皆さまに支えられ、半導体と共に成長してまいりました。
半導体産業は、技術革新と拡充の歴史に年々新たなページを加えており、PC・スマートフォンから「モノのインターネット(IoT)」社会へと、ますますフィールドを拓き続けています。当社は、社会のニーズにお応えすべく新技術創出に励み、京都を礎として全世界の半導体メーカーへ新プロセスを発信しています。
当社の新商品開発・新製造プロセス構築の根底に流れるのは、創業者・坂東和彦が核とした5つの力「創造の力を培励い、技術の力を涵養い、実践の力を具現し、信念の力を堅個め、総和の力を結合す」であり、TOWAスピリットの根幹を成す普遍的価値として継承されています。一方で、目覚ましい速度で変化する環境においては、既存の枠にとらわれることなく、視点を変えて新たなことに挑戦し、常に自らに問い掛け、行動し成果を出すことが求められます。その原動力となるのが「変革」への意識です。
これまで培ってきた技術と知恵を糧とし、半導体産業のみならず、新たな事業創生にも進化させ、今後も技術開発型企業として広く産業界・社会の発展に貢献してまいります。

TOWA株式会社
京都市南区上鳥羽上調子町5番地/Tel.075-692-0250
http://www.towajapan.co.jp

京都人の度量III

齋藤 茂
株式会社トーセ 代表取締役会長
齋藤 茂

この年始のメッセージを書き始めて3年目となりますが、その間、京都への外国人観光客は右肩上がりで増加し、キャパシティーの限界に達しつつあり、宿泊施設やインフラ整備、サービス面で行き届かない部分も増えてきているようです。
私自身、京都大好き人間ですので、京都を好きになっていただきたい一心で、京都ブランドフォーラムなどの開催を通じてイメージアップに努めてきました。また、観光客にはできる限り親切にするように心掛けています。以前おすすめのレストランが何軒も書かれたメモを持った外国人観光客に道を聞かれ、助けたこともありました。おそらくホテルのコンシェルジュが渡したものだと思いますが、そこには数カ月先まで予約が取れない、あるいはその日が定休日の店ばかり並んでいました。そこで、同じ価格帯ですぐに予約可能な店を探して、案内しましたが、見知らぬ国でいい加減なメモを渡された人の気持ちも考えられないホテルもあるものだと、残念な気持ちになりました。
日本の各都市はインバウンド(訪日外国人)拡大の方針を決めたのですから、物理的にハード面が間に合わないことは仕方がありませんが、京都だからこそ、サービス面で「おもてなし」の心と度量を持って、足りない部分をフォローしなくてはならないと思いますが、いかがでしょうか。

株式会社 トーセ
京都市下京区東洞院通四条下ル/Tel.075-342-2525
http://www.tose.co.jp/

地域を守ることは私たちのしごと

小林達生
東京海上日動火災保険株式会社 京都支店長
小林達生

わが国では、今後人口減少が急速に進むと同時に、国内における消費・経済力の低下が懸念されており、国家戦略として官民連携の下、地域活性化とその好循環を目指す「地方創生」の取り組みが進められています。
弊社では「私たちのビジネスの発展は日本各地の地域経済と一体であり、地方が元気になることが自社の持続的な成長にもつながる」との思いから、昨年7月に「地方創生室」を新設し、各地の「まち・ひと・しごと創生」を支援する態勢を強化いたしました。また「地域を守ることは私たちの重要なしごと」と位置付け、保険事業で培った安心・安全に関わるノウハウ・スキルを生かして各地の「地方創生」の取り組みに積極的に参画し、各地の「まち・ひと・しごと創生」の支援に努めています。
弊社京都支店においても、当地の各自治体や金融機関、保険代理店などの地域の皆さまと連携しながら、保険会社ならではの視点をもって、地域に根差したお客さまをお守りする取り組み〔自然災害に対する防災啓発・事業継続計画(BCP)支援・インバウンド対応・海外展開企業支援・農業支援など〕を実践することで、府内各地の「まち・ひと・しごと創生」(地域活性化)に貢献してまいります。

東京海上日動火災保険株式会社
京都支店=京都市下京区四条通麩屋町西入立売東町22/Tel.075-241-1151
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/