京都新聞
紙面特集

企画展 龍谷の至宝-時空を超えたメッセージ
龍谷大 龍谷ミュージアム

田中久重作 須弥山儀 弘化4(1847)年~嘉永3(1850)年

学びの源泉

 今年で創立380年になった龍谷大の貴重な学術資料を公開する企画展「龍谷の至宝-時空を超えたメッセージ」が13日、京都市下京区の龍谷大龍谷ミュージアムで始まる。国宝の「類聚古集(るいじゅうこしゅう)」をはじめ、西本願寺歴代宗主の蔵書コレクション「写字台文庫」や大谷探検隊が日本に持ち帰った資料などから76件を紹介する。

 龍谷大は1639年に西本願寺の教育施設として設立された「学寮」から始まる。展示は「仏教東漸」「浄土真宗のおしえ」など6章から成る。

 類聚古集は平安時代後期の官人学者、藤原敦隆(あつたか)が万葉集の歌をテーマごとに並べ、読み方を平仮名で併記した書籍。藤原定家ら歴代歌人が参考にし、所蔵するのは現在伝わる唯一の写本だ。写字台文庫は仏教に限らず文学や歴史、自然科学など分野が多岐にわたり、4万冊に及ぶ。文庫からは江戸時代に杉田玄白らが翻訳した医学書「解体新書」の初版本などを展示する。

 探検隊の将来品ではシルクロードのオアシス都市国家「楼蘭」の遺跡で発見した「李柏尺牘稿(りはくせきとくこう)」(重要文化財、展示は期間限定)。328年ごろに書かれた手紙の下書きで年代の分かる最古級の紙とされる。「伏羲女媧図(ふくぎじょかず)」は7~8世紀、中国古代神話に登場する男女の神を絹に描いた絵で、墓室の天井に木くぎで張り付けられていた。

 仏教天文学を基にした江戸時代の動く模型「須弥山儀」も出展。直径66・5センチ、高さ55センチで須弥山を中心に太陽や月が巡る仕組み。制作者の「からくり儀右衛門」こと京都の発明家、田中久重は後に東芝を創始した。明治時代の学生の自主活動の機関誌で、後の中央公論につながった「反省会雑誌」もある。

 会場にはミュージアム所蔵の掛け軸のレプリカを手に取ったり、掛けたりできる体験学習コーナーも設けられる。

伏羲女媧図 7~8世紀
類聚古集 12世紀
解体新書 安永3(1774)年刊
李柏尺牘稿  前涼・太元5(328)年ごろ
反省会雑誌 日本語:明治20(1887)年~、英語:明治31年(1898)年~

 いずれも龍谷大図書館蔵
案内
■会   期7月13日(土)~9月11日(水)
月曜(7月15日、8月12日、9月2、9日除く)と7月16日、8月13日は休館
■会   場龍谷大 龍谷ミュージアム(京都市下京区堀川通正面下ル、西本願寺前)
■開 館 時 間午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
■主   催龍谷大 龍谷ミュージアム、京都新聞
■入 館 料一般500円(400円)、65歳以上・大学生400円(300円)、高校生300円(200円)。
かっこ内は前売り、20人以上の団体料金。
■関連イベント 〈記念講演会〉
(1)7月28日、龍谷大大宮学舎清和館3階ホール(下京区七条通大宮東入ル)。
   入澤崇・龍谷大学長「龍谷の至宝」。先着200人。
(2)8月18日、本願寺伝道院(下京区油小路通正面下ル)。
   講師は谷口敏之・東芝未来科学館副館長「わが国工業技術の祖 からくり儀右衛門から田中久重」。
   先着100人。
※いずれも午後1時半~3時、事前申し込みが必要。聴講無料だが、企画展の観覧券が必要。

〈ギャラリートーク〉
8月10日午後1時半~2時15分。学芸員が展示室で解説。
特別編は7月20日午後1時半~2時半、「龍谷大図書館所蔵『縮象儀』の漆工芸技法について」。先着40人。
※いずれも事前申し込み不要。

〈ワークショップ〉
8月9日午後1時半~4時、龍谷ミュージアム1階101講義室。プロの指導の下、美術品の梱包(こんぽう)作業を体験。対象は中高生。事前申し込みが必要で先着20人。参加費500円。
■問い合わせ龍谷大 龍谷ミュージアム075(351)2500
【2019年7月11日付京都新聞朝刊掲載】