京都新聞
 紙面特集

トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美

京都国立近代美術館

帝国の栄華と日本交流

「宝飾手鏡」16世紀末
「聖なる花」模様の手鏡など170点

 トルコ・イスタンブールのトプカプ宮殿は、中東からヨーロッパ、アフリカまで広大な領土を誇ったオスマン帝国(13~20世紀)のスルタン(皇帝)が住む、政治の中心地だった。皇帝の権威を示す、宮殿に収められた輝かしい宝物約170点が並ぶ展覧会「トルコ至宝展 チューリップの宮殿トプカプの美」が14日、京都国立近代美術館で開幕する。

 東ローマ帝国の首都コンスタンティノープル(現イスタンブール)を征服したオスマン帝国が、その跡地に建築技術の粋を尽くして建てた宮殿には、きらびやかな装飾の武具や道具が国内外から集められた。帝国崩壊後も宮殿は博物館として残り、保存された宝物は当時の栄華を物語る。

 ラーレ文様と呼ばれるチューリップの花や球根をかたどった手鏡や水入れ、装束などが本展では数多く並ぶ。トルコ語でチューリップを意味する「ラーレ」は、アラビア語で並び替えるとイスラム教の神「アッラー」となり、トルコでは聖なる花としてたたえられた。オスマン帝国時代に栽培が盛んになり品種改良など園芸文化が発展。オランダなどヨーロッパに広まった。美術や文学の作品を通じて美しさが伝えられ、トルコの国花として愛されてきた。

 トルコは日本との交流が親密なことでも知られる。契機となったのが明治時代に和歌山県沖で発生した、トルコ軍艦エルトゥールル号の沈没事故だ。事故後に遺族への義援金を集めてトルコに渡り、皇帝にも謁見(えっけん)した実業家山田寅次郎は貿易商として両国の輸出入を活発にした。

 山田が現地の文化を記録し、日本に紹介した「土耳古(トルコ)画観」や、沈没事故前後にトルコに渡った日本の有田焼や甲冑(かっちゅう)など、両国の交流の足跡を追う展示品もある。

「ターバン飾り」17世紀
「スルタン・スレイマン1世のものとされる儀式用カフタン」16世紀中期
「詩集のワニス塗り表紙」18世紀前半
「立法者スルタン・スレイマン1世」『トルコ皇帝肖像画集(ヤング・アルバム)』より 1815年
※いずれもトプカプ宮殿博物館蔵
案内
■会     期6月14日(金)~7月28日(日) 月曜休館(7月15日は開館、16日は休館)
■開 館 時 間午前9時半~午後5時(金・土曜は6月は午後8時まで、7月は午後9時まで 入館は閉館30分前まで)
■会     場京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
■主     催京都国立近代美術館、トルコ共和国大使館、京都新聞、日本経済新聞社、BS-TBS
■入  館  料一般1500(1300)円 大学生1100(900)円 高校生600(400)円 中学生以下、障害者手帳提示の人と付き添いの1人は無料(要証明)。
※かっこ内は前売および20人以上の団体料金。
■講  演  会▽6月15日「トプカプ宮殿の織物」 講師:奥村純代氏(トルコ・イスラーム美術史家)
▽6月23日「トプカプ宮殿とチューリップ文化」 講師:ヤマンラール水野美奈子氏(本展監修者・元龍谷大教授・国際トルコ美術史学会理事)
※いずれも京都国立近代美術館1階講堂で午後2時から。定員100人。(午前11時から1階受付で整理券配布)聴講無料(要本展観覧券)
■担当学芸員による
  ギャラリートーク
6月21日、7月12日のいずれも午後6時から。
※京都国立近代美術館展示会場内。定員20人。(午後5時から1階受付で整理券配布)参加無料(要本展観覧券)

【2019年6月12日付京都新聞朝刊掲載】