京都新聞
:紙面特集

「裏千家所蔵の優品」展

茶道資料館
千利休筆 消息「雪の文」
長次郎作 黒樂茶碗「シコロヒキ」

16代の歴史 身近に

 茶の湯に関する資料を収集し、企画展示してきた「茶道資料館」の開館40周年と、日本で唯一の茶の湯の専門図書館「今日庵文庫」の開館50周年を記念する特別展「裏千家所蔵の優品」が16日、京都市上京区の茶道資料館で始まる。併設展「鵬雲斎(ほううんさい)コレクション撰(せん)」も開催、茶道裏千家の歴代家元ゆかりの品々で、連綿と受け継がれてきた茶の湯の姿を紹介する。

 茶道資料館は、茶道を総合的に学ぶことができる美術館として、千玄室・裏千家前家元が1979年11月に開館。茶の湯に関する企画展を年数回開き、掛け物や茶碗、花入などの茶道具や関連の美術工芸品、文書などを中心に展示している。陳列室の一角には、裏千家の代表的な茶室の一つ「又隠(ゆういん)」(重要文化財)の写しもあり、その空間を身近に感じることができる。

 資料館に先駆け、69年に開設された今日庵文庫は、幕末から明治期の十一代玄々斎が名称を使っていたことが確認されている。現在は、歴代家元が収集した茶会記など茶道に関する文書や雑誌、映像資料、初心者向けの漫画に至るまで約6万点を収蔵、館内で閲覧することができる。また、研究機関として古文書などを読み解き、研究紀要『茶道文化研究』を発刊、資料の公開を図ってきた。

 特別展はこうした歩みをもとに、裏千家今日庵所蔵の優品を展示。十六代にわたる歴代の好みものなどを順に紹介し、合わせてそれぞれの事績も解説する。

 千利休が妙庵(妙喜庵)に宛てた消息「雪の文」、利休が所持し後に高弟の蒲生氏郷の手に渡ったとされる長次郎作の黒樂茶碗「シコロヒキ」が並ぶほか、釣船(つりふね)の花入を竹で仕立てた三代宗旦作の竹花入「ヨコ雲」や飴釉がやさしい四代仙叟(せんそう)作の赤茶碗「イカ栗」などが受け継がれてきた歴史の重みを伝える。「茶道ノ源意ハ忠孝五常ヲ精励シ」で始まる十一代玄々斎筆の横物「茶道の源意」は、1872年に明治政府が茶道を遊芸に入れようとしたことへの建白で、往時の熱意を表す。今日庵文庫所蔵の「神屋宗湛茶会日記」などは、博多の豪商で茶人の神屋宗湛がつづった安土桃山時代の華やかな茶会の様子が知られ、興味深い。

 併設展では、資料館の開館以来館長を務める千前家元が収集した印籠や絵巻物などを展示し、豊かな趣味の広がりを感じさせる。

千宗旦作 竹花入「ヨコ雲」
四代仙叟作 赤茶碗「イカ栗」
十一代玄々斎筆 横物「茶道の源意」
「神屋宗湛茶会日記」の部分
(公開部分は未定)

「神屋宗湛茶会日記」
九代不見斎好・直書 独楽棗(こまなつめ)
案内
■会   期4月16日(火)~6月16日(日)
※月曜、5月7日は休館。4月29日、5月6日は開館。会期中、一部展示替えあり
■開館時間午前9時半~午後4時半(入館は午後4時まで)
■会   場茶道資料館(京都市上京区堀川通寺之内上ル、裏千家センター内)
■主   催茶道資料館
■共   催京都新聞
■入 館 料一般1000円、大学生600円、中高生350円 20人以上は団体割引
■問い合わせ茶道資料館075(431)6474

■今日庵文庫月~金曜、6月15日の午前10時~午後4時開館(土日、祝日、4月30日~5月2日は休館)。
入館料無料。問い合わせは075(431)3434


【2019年4月12日付京都新聞朝刊掲載】