The Kyoto Shimbun

優しさ育む木の趣
桃山基督教会(京都市伏見区)
=16=

 子どもの遊ぶ声。校舎のような建物を懐かしんで訪れる人もある。よく見ると屋根には青銅の十字架。1936年、奈良の宮大工が完成させた桃山基督教会だ=写真上。当時の京都教区のニコルス監督が、隣の御香宮(ごこうぐう)神社と調和するよう神社風にした。

 建物は1階が桃山幼稚園のホール、2階が礼拝堂。聖堂の黄の窓ガラスは外光を黄金色に彩る=写真右。昭和初めの大阪ガラスという。天井はノアの箱舟の船底のよう。軒丸瓦には十字の紋が。昨年、入り口のスロープや2階へのエレベーターを設け、優しさを増した。

 この幼稚園の理事長を務める松本嘉一さん(70)=宇治市=は第1期の卒園生。長く障害児教育に携わり、この教会の加納重朗牧師が自らに問いかけ考えながら話す姿勢に引かれて48歳で受洗した。「さまざまな子どもたちに成長していただく中で親御さんもいろいろ悩みがある。子を育(はぐく)み懸命に生きる親の姿にふれて自分を省み、信仰に傾いていきました」

 礼拝堂の正面に「われは道なり真理なり生命なり」「汝(なんじ)ら往(ゆ)きて諸々(もろもろ)の国人(くにびと)を弟子とせよ」の額。戦中戦後、地域の文化人と交流し社会を憂えた高地時夫牧師のころから掛かるという。

 

わたしはあなたのために祈った

 わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った(ルカによる福音書)−十字架にかけられる前、イエスが弟子ペテロに語った言葉。青年時代、人生の不安や孤独から教会の門をたたいた三浦恒久牧師は、教会の交わりの中で、人間は一人では生きていけない、人とのかかわりの中で支え合い、祈り合って生きていると気づいた。「私たちが祈り合うことができるのもイエス様が人間のことを祈っていてくださるからで、この祈りの輪が広がって現代が“祈り祈られての社会”になったらと思います」

 ◇日本聖公会 桃山基督教会・京都市伏見区御香宮門前町184 TEL:075(611)2790

バックナンバー   京都新聞TOP