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社説:公文書書き換え 佐川氏辞任では済まぬ

 国会で昨年2月から追及されてきた学校法人「森友学園」への国有地売却問題が、重大な局面を迎えている。

 決裁後に書き換えられた疑いが浮上した財務省の国有地取引契約時の文書について、同省が調査結果をきょう国会に報告する。書き換えがあったと認めるとみられる。

 疑惑を朝日新聞が最初に報じてから10日がたつ。この間、文書の原本が大阪地検にあることなどを理由に、明言を避けてきた麻生太郎副総理兼財務相らの説明責任を果たさぬ姿勢には、目に余るものがあった。

 きょうの報告内容と政権の対応を注視したい。さまざまな疑問に答え、国民の納得できるけじめをつけるまでは、幕引きとは到底いかない。

 決裁文書に関して財務省は、国会議員にこれまで開示してきたものが唯一の文書との立場をとってきた。

 しかし開示文書には見られない、森友学園への特別扱いをうかがわせる文言を記した決裁文書が取引契約時に存在したことが報道で指摘され、大学教授が情報公開請求で入手した別の文書との比較でもこうした疑いが強まった。

 先週末には、決裁文書の国会提出当時の理財局長で、森友問題で答弁に立ってきた佐川宣寿国税庁長官が懲戒処分を受けると同時に辞任。また、書き換え疑惑との関連は明らかでないが、国有地売却の担当部署に所属した近畿財務局職員が自殺する事態にまでなっている。

 佐川氏の辞任が当然なのは言うに及ばす、書き換えが事実なら、麻生氏も責任を免れることはできない。行政府の長として安倍晋三首相も同様である。

 いつ、誰が、何の目的で書き換えたのか。削られたとされる「本件の特殊性」などの文言は、何を意味するのか。

 売却価格の大幅値引きの背景に、当該地に開設予定だった小学校の名誉校長に就いていた首相夫人の昭恵氏の存在がなかったか。安倍「1強」への官僚の過剰な忖度(そんたく)があったのではないか-という点に、国民の目は向けられている。

 首相がようやく10日になって、財務省は調査に全力を挙げるべきとの認識を示したのはいかにも遅かった。

 公文書は国民全体のものである。都合よく書き換えられたとすれば国民への裏切りともいえる。誠実かつ速やかな調査で、真相を徹底的に明らかにすべきだ。

[京都新聞 2018年03月12日掲載]

【 2018年03月12日 11時00分 】

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