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社説:HIV世論調査 正しく認識して対応を

 内閣府が実施したエイズウイルス(HIV)に関する世論調査の結果が明らかになった。HIVに感染しても発症前に治療を始めれば健康な人と同じように過ごせるが、5割を超える人がエイズについて「死に至る病」と回答するなど誤った認識を持っていた。

 HIVに対してあらためて正しい知識を身に付け、感染予防や早期の治療につなげる必要がある。

 調査は1月に全国の18歳以上の男女3千人を対象に行い、1671人が回答した。

 エイズを完治する薬はないが、1日に少量の服薬でウイルスの増殖を抑えられる。しかし、エイズに対する印象についての質問(複数回答)では、「死に至る病」との回答が52%で最多だった。「原因不明で治療法がない」34%、「特定の人たちにだけ関係のある病気」20%、「毎日大量の薬を飲まなければならない」14%など他にも誤答が目立った。

 感染の原因に関しては、「無防備な性行為」85%、「注射器の回し打ち」74%、「カミソリや歯ブラシの共用」44%と正しい答えが多かった。ただ、「蚊の媒介」25%、「軽いキス」17%など誤って認識している人もいた。

 さらに問題なのは、京都、滋賀を含む各地の保健所などが行っている匿名、無料のHIV検査について、「知っている」と答えた人が52%にとどまった点だ。18~29歳では44%だった。

 HIVに感染すると、数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがあるが、その後は自覚症状のない時期が数年続き、さらに進行すると抵抗力(免疫)が低下し、本来なら自分の力で抑えることができる病気などを発症するようになる。

 厚生労働省によると、国内では毎年約1500人の感染が新たに判明している。このうち約3割が発症しているという。

 感染したかもしれないと感じたら、まず保健所などで検査を受けることが大切だ。感染がわかった場合は、早く治療を始めることができる。周囲に感染を広げるリスクを減らすためにも、早期の発見が欠かせない。

 調査では7割の人がHIV検査を受けやすくするために「匿名・無料で受けられることの周知」が重要と回答した。政府と自治体はHIVに関する正しい知識の普及に努めるとともに、保健所で実施している夜間や休日を含めた検査について、さらにアピールに力を入れるべきだ。

[京都新聞 2018年03月12日掲載]

【 2018年03月12日 11時00分 】

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