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障害者就労、行政での実習支援に力 京都の3市町

 京都府の乙訓2市1町の福祉事業所などでつくる「乙訓圏域障がい者自立支援協議会」(事務局・長岡京市)が、行政機関での障害者の就労実習支援に力を入れている。4月からの法定雇用率引き上げを前に、障害者が働きやすい職場環境への理解を担当職員らに深めてもらうのが狙いだ。取り組みは緒に就いたばかりで課題もあるが、障害者雇用の機会拡大につながるか注目される。

 自治体に義務づけられる障害者の法定雇用率は4月以降、現行の2・3%から2・5%になる。民間企業も2・0%から2・2%に引き上げられる。

 京都労働局職業対策課によると、乙訓地域にある事業所(法律で雇用割合を定めている従業員50人以上)の実雇用率は昨年6月時点で身体障害者が1・57%(府平均1・44%)、知的・精神障害者が0・34%(同0・63%)と格差が生じている。また、法定雇用率を達成している事業所の割合は46・8%(同53・1%)と府平均を6・3ポイントを下回る。

 これまで乙訓地域の就労実習は民間の工場での製造や清掃といった作業が多く、事務や軽作業の実習先はほぼ無かった。こうした状況や法定雇用率引き上げの動きを踏まえ、同協議会が取り組み始めたのが行政機関での就労実習だ。雇用率の低い知的・精神障害者が働きやすい職場環境づくりに加え、障害者の実習受け入れの選択肢を広げる目的もある。

 大山崎町役場では昨年10月、乙訓地域の自治体で初めて、同地域の就労移行支援事業所に通う知的・精神障害者計4人の実習を受け入れた。内容は町主催行事の景品袋詰めや、パソコンを使ったチケット作成といった軽作業。実習生は町職員からの指示を受け、「どの向きで商品を袋に入れたらいいですか」と質問しながら取り組んだ。町担当者は「実際に一緒に働くことで新たな気づきがあった。今後も受け入れを検討する」としている。

 1月中旬には向日が丘支援学校(長岡京市)の生徒2人が、向日市の府乙訓保健所で、ひとり親世帯対象の申請書類をコピーし、書類の記入箇所をえんぴつ書きで誘導する事務作業を行った。島谷萌花さん(17)は初めての事務作業の実習に「集中できて、自分に向いてるかもなと思った。職業選択に生かしたい」と話した。

 一方で、実習では作業内容の指示方法や障害の特性に合わせた支援が不十分な面もあり、課題も見えてきた。18年度に向け、同協議会は、受け入れ側との打ち合わせを事前に丁寧に行うことや、障害者と実習先をつなぐ役割をどの機関が担うかなどを検討していく。

 同協議会の就労支援部会メンバーで向日が丘支援学校進路担当の夏川久子教諭は「まだ一歩踏み出した段階。継続的に取り組んでいく必要がある。地域の行政機関で受け入れが増えて、障害者の就労実習の選択肢が広まれば」としている。

【 2018年03月12日 13時32分 】

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