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社説:野党共闘 現実見据えた対立軸を

 巨大与党への対立軸を示すことができるのだろうか。

 衆院の会派「無所属の会」から9人が、野党第1党の立憲民主党の会派に合流することになった。

 立民は衆院で67議席となり、第2党の国民民主党(37議席)を大きく上回る勢力となる。国会対応などで発言力が強まろう。

 ただ、4月の統一地方選、7月の参院選に向け、安倍晋三政権と巨大与党にどう対抗していくかの展望は見えない。とりわけ、参院選の候補者調整を巡っては、野党間で不協和音が目立つ。

 「安倍1強」の独走を阻むのなら、勝つための現実的な戦略を進める必要がある。コップの中だけで争っている場合ではない。

 参院選で勝敗の鍵を握るのは、32ある改選1人区だ。現在までに少なくとも22選挙区で野党統一候補擁立に向けた県組織レベルでの調整が始まっている。

 2016年参院選では、32の1人区全てで旧民進、共産、社民、旧生活の4野党が候補者を一本化し、11選挙区で勝利した。共闘が一定の成果を収めたといえる。

 今回も同じ手法を探っているように見えるが、自党が推す候補者の擁立を譲らず、調整が難航している選挙区も少なくない。

 滋賀では立民と国民、共産がそれぞれ候補を立てる構えだ。自民と一騎打ちの構図がつくれなければ、共倒れする可能性がある。

 改選複数区は、さらに難しい状況だ。立民の枝野幸男代表が「各党が切磋琢磨(せっさたくま)する方が野党全体のパイを広げる」と、連携に否定的なためだ。京都(改選数2)でも立民、国民がそれぞれ新人を立て、自民、共産の2現職に挑む。

 1人区で共闘しながら複数区で競い合うのは有権者に分かりにくい。改選数3以上の選挙区では政権への批判票が分散し、与党を利する結果になりかねない。

 昨年12月の共同通信社世論調査では、立民の支持率は11・5%、共産が3・4%、国民は1・4%だった。支持率低迷の理由は、与党への対立軸が打ち出せていない現状にもありはしないか。

 連合の神津里季生会長は共闘態勢の遅れに危機感を示し、比例代表での野党統一名簿作成に言及した。政策のすりあわせなどに課題はあるが、野党として選挙に臨む強い姿勢を示すうえで、検討してみる価値はあるのではないか。

 参院選で有権者にどんな選択肢を示すのか。野党は、そこをはっきりさせる必要がある。現実を見据え、柔軟に考えてほしい。

【 2019年01月10日 11時28分 】

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