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福島から避難、スイーツのまち支える 京都の洋菓子店長

福島県南相馬市から福知山市に避難し、現在は洋菓子店の店長を務める田原さん(左)=福知山市内記・足立音衛門
福島県南相馬市から福知山市に避難し、現在は洋菓子店の店長を務める田原さん(左)=福知山市内記・足立音衛門

 東日本大震災から1カ月後に福島県南相馬市から福知山市に家族と避難した男性が、古里を離れ7回目の春を迎えようとしている。不安を抱え移り住んだ土地で古里を思いながら、「スイーツのまち」福知山の洋菓子店の店長として忙しい日々を送る。

 田原康暁さん(43)=同市前田。生まれ育った南相馬市で被災した。妻と3人の息子と暮らしていた自宅は、東京電力福島第1原発から半径30キロ圏内にあった。家族の安全を考え避難先を探していた時、テレビで福知山市が市営住宅を無料で貸し出しているのを知った。

 震災から1カ月後、車に最低限の荷物を積み、出発した。1日かけてたどり着いた福知山は、縁もゆかりもない土地。「東北とは人間性も違う。子どもの学校のことや、仕事のことなど、不安でいっぱいだった」

 すぐに仕事を探し始め、ハローワークで見つけた洋菓子店「足立音衛門」(同市内記)に就職した。金型部品製造会社に勤めていた田原さんにとっては異業種への挑戦だった。「同僚が気さくで、親切に教えてくれた」。近隣住民の支えもあり、徐々に地域になじんでいった。

 2013年には本店の店長を任された。店舗全体の管理を担い、接客や商品管理など従業員25人の仕事がスムーズに回るよう、細部に目を配る。「地域に貢献できたら」と、「スイーツのまち」をPRする市のイベントにも積極的に参加する。

 南相馬市には今も両親が暮らす。帰郷のたびにまちの復興を感じる一方、人が減り、以前とは雰囲気が変わった古里に、複雑な思いもある。「7年はあっという間だった。生まれ育った南相馬を懐かしく思うこともあるが、今は日々の仕事で精いっぱい。子どもが無事に大きくなるよう、ここで頑張っていきたい」

【 2018年03月10日 16時00分 】

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