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琵琶湖の外来水草駆除に新手法 薬剤を茎に直接注入

注射針のような器具で、除草剤をオオバナミズキンバイの茎に直接注入する
注射針のような器具で、除草剤をオオバナミズキンバイの茎に直接注入する

 琵琶湖で大量繁茂する特定外来生物の水草オオバナミズキンバイを、毒性の低い除草剤で駆除する新手法を、環境保全サービス会社「日吉」(滋賀県近江八幡市)が研究している。水質に影響を与えないよう、茎に直接注入する手法を試験中だ。石組み護岸など駆除の難しい場所に向いているといい、実用化へ滋賀県も期待を寄せている。

 15日から茨城県つくば市で開かれる「第17回世界湖沼会議」で研究内容を発表する。

 現在、オオバナの駆除方法は機械で刈り取るか、人の手で引き抜くかしかない。水草は瀬田川の護岸や琵琶湖のヨシ帯の隙間に入り込んで繁茂し、引き抜こうとすると茎や根が途中で切れることが多い。オオバナは再生力が強く、残った部分から増殖しやすいのが課題だ。

 そこで同社は、除草剤による駆除を滋賀県に提案、技術開発の支援事業に採択された。昨年度からバケツなどでオオバナを培養し、毒性が特に低い市販の除草剤を与えたところ、日数はかかるものの投与から約1カ月後には根まで枯れることを確認した。

 琵琶湖の水環境に配慮して、投与方法に工夫を凝らした。実験当初は薬剤を泡状にして塗布していたが、茎を伝って周囲に流れ出る恐れがあり、現在は注射針のような器具で茎に直接注入する手法を試している。流出はほぼないという。

 ホンモロコやメダカ、ミジンコの急性毒性試験も行った。泡状にして塗布した場合の試験では、流出の可能性のある量の100倍の濃度に達しなければ、生体への影響は確認できなかった。同社技術部顧問の近藤昭宏さん(61)は「より琵琶湖への影響がない手法を目指したい」と話す。

 機械や人の手で刈り取ったオオバナは、茎などの断片が飛散して再生しないよう厳重な管理が必要だが、枯死させれば後処理が簡易になり、コスト削減にもなる。

 ただ、実用化には琵琶湖での薬剤使用に対する市民の理解が不可欠だ。近藤さんは「県が市民に問いかけながら進めてほしい」と求める。県自然環境保全課は「慎重に対応していきたい」としつつ、「実用化されれば効果は高い」とする。

【 2018年10月12日 09時05分 】

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